石舟神社、饒速日命が父を慕って土佐国に到来、大ヒノキ
[住所]高知県香南市香我美町山川字スミガサコ
[電話]-

天忍穂別神社(あめのおしほわけじんじゃ)は、高知県香南市香我美町山川にある神社。石舟神社の名で知られる。地元では「石舟様」と呼ばれる。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 土佐国 香美郡「天忍穂別神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

創祀・創建年代は不詳。土佐に来た物部氏によって、奉斎されたと考えられている。伝承によれば、天孫の饒速日命が、石舟に乗り、大空を駆け、山川のスミガサコの山の峰に到着した。

饒速日命は、まず、河内国のある山に降り、それから大和国の桃尾山の麓にとどまったが、父神の天忍穂耳尊を慕って、土佐国へ着いたという。

土佐へ初めて降ったのは、物部川下流の上岡山(野市)で、それから富家村に入り、西川村・長谷の小村・峠の船戸・末延の水船・山川の舟谷を経て、当地に至った。

舞川の地石は、饒速日命が休んだ際、舞楽をした跡とされ、長谷の小村には烏帽子をかけたという烏帽子岩があり、当社の南の谷は冠を取った所でカットリと呼ばれる。

北の谷は杖谷といい、饒速日命が矛を置いた場所。その側の首珠が佐古は、首飾を置いた所とされる。

饒速日命が乗った石舟は、今も境内の裏手にあり、巨大な自然石の舟型をしている。付近には、船乗り達が献納した小さな石舟が置かれている。

御祭神は天忍穂耳尊で、相殿に饒速日尊を祀る。この伝承に基づき、鎌倉時代以降、石船神社・石舟神社と呼ばれるようになったという。

『皆山集』には、当社で起きた様々な不思議なことが六つ記載されている。

石船大明神社、御石舟宮とも称したが、江戸時代中期の宝永2年(1705年)、谷泰山の調査で式内社に認定されて再興、その後現社号に復した。

明治になり、県社に列したが、その後、郷社になった、とも。

そのまま、航海の安全を守る神として崇敬されたほか、疱瘡治癒の神としても知られている。例祭は11月15日で、秋祭。

境内社に栲幡千々姫大神がある。また、2本の大ヒノキがあり、御神木で、町の天然記念物に指定されている。

大きい方は樹高31.5メートル、目通り周囲3.9メートル。小さい方は樹高26.6メートル、目通り周囲3.3メートル。

【ご利益】
航海安全、海上安全、病気平癒、リフレッシュ
天忍穂別神社 高知県香南市香我美町山川
【関連記事】
高知県の旧県社 | 府県社とは? - 旧県社(縣社)・旧府社、その都道府県の中で有力な神社
高知県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、高知県に鎮座している神社の一覧