鎌倉期に信州を勧請、新堀・谷中の総鎮守、諏訪台八景の地
[住所]東京都荒川区西日暮里3-4-8
[電話]03-3821-4275

諏方神社(すわじんじゃ)は、東京都荒川区西日暮里にある神社。JR西日暮里駅の至近に鎮座する。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

鎌倉時代前期の元久2年(1205年)、当地の領主だった豊島左衛門尉経泰が、一族が崇敬する信州諏訪明神を勧請したのに始まる。

御祭神は、建御名方命。戦国時代の文安年間(1444年-1499年)、太田道灌が神領を寄進した。

社殿はもとは山の麓にあったという。江戸時代前期の寬永12年(1635年)、山上が開削された際に現在地に遷座した。

慶安2年(1650年)、3代将軍徳川家光が5石の朱印を与えた。

社名は、「諏訪」とせず、「諏方」。これは古風で、もとは「諏方」が主流だったが、現在は「諏訪」が主流となっている。

全国に1万社以上あるとされる諏訪社の中で、「諏方」を用いているのは当社を含めて、全国でも数社のみ、ともされる。

当社では所有する元禄年間(1688年-1704年)の軸に、「諏方大明神」と記されており、この伝統を受け継いでいる。

当地は、上野より飛鳥山に通じる高台にあって、四季の眺望よく、文人墨客の遊観頻繁にして、諏訪台八景の地に選ばれた。

日暮の里(ひぐらしのさと)として、江戸有数の景勝地としても有名だったという。

明治になると、旧新堀村、現在の日暮里地区、および谷中村の総鎮守として、近郊の人々に篤く崇敬された。

昭和20年(1945年)3月の空襲で被災したが、戦後になり、昭和27年(1952年)、復興した。

例祭は8月末。例大祭で、境内や周辺の道路に露店が立ち並び、多くの人々で賑わう。3年に一度の御神幸祭と呼ばれる大祭では、本社神輿が町内を渡御する。

境内社に、御嶽山大神・八海山大神・三笠山大神、末廣稲荷神社・銭降稲荷神社、三宝荒神社、三峰神社がある。

文化財として、江戸時代後期の文化年間(1804年-1818年)に疫病払いに作られた山車が、戦災にも焼けず残った。現在、早稲田大学演劇博物館に保存されている。

また、社殿の脇に柱状の庚申供養塔があり、元禄12年(1699年)、元禄14年(1701年)、新堀村の文字が刻まれている。他に、天保2年(1832年)銘の手水鉢がある。

【ご利益】
武運長久・勝運、厄災除け、病魔退散
諏方神社 東京都荒川区西日暮里
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諏方神社 東京都荒川区西日暮里の御朱印