戦国期に氏子が分裂、鋒向いと村入の神事、宮池と龍神伝承
神田神社 滋賀県大津市真野普門町3-8-1
[住所]滋賀県大津市真野普門町3-8-1
[電話]077-573-1000

神田神社(かんだじんじゃ)は、滋賀県大津市真野普門町にある神社。普門神田神社とも。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「神田神社(近江国・滋賀郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

社伝によれば、飛鳥時代の第41代持統天皇4年(690年)、彦国葺命の十二世孫である和邇部臣島務大肆忍勝などに真野臣の姓が授けられた。

同年9月、居館の傍らにある浄地普門山を宮居と定め、素盞嗚尊を鎮祭、間野大明神として奉斎されたという。

御祭神は、彦国葺命・素盞鳴命・鳥務大肆忍勝。彦国葺命は、真野氏の祖にあたる。

当社から東へ1キロほどの至近にも同名の神社があり、式内論社。当社が「上の神田神社」と呼ばれるのに対して、真野に鎮座する同名の神社は「下の神田神社」。

もともとは真野神田神社のみだったが、文亀年間(1501年-1504年)、祭典に絡む論争が起こり、氏子が分裂。分祀して、当社が創建されたという。

ただし、当社が元祖であり、真野神田神社は当社を分祀したものという説もある。

当社の本殿は、南北朝時代の建徳元年(1370年)の再建で、側面や細部の彫刻などに建立当時の特色を表している。現在は国の重要文化財に指定されている。

この本殿は、先の戦国期の分裂よりも早い。もともと当地で何らかの祭祀が行われていたことは間違いない。

明治9年(1976年)、村社に列した。例祭は5月5日。毎年3月己の日の己の刻に鋒向いと称して、神主交代の行事がある。

また、「村入(むろといり)」と称する氏子の入りの行事があり、出生すると氏子帳に記載され、成人になってもこの記載順に宮役、十人衆など村に加入できる仕組み。

光明寺や、「宮池」に隣接する。この宮池は紅葉シーズンの景観に定評がある。その池の一部、奥まった場所に、地域の人が蛇池(じゃいけ)と呼ぶ部分がある。

江戸時代、日照りが続いて田園が干しあがり、枯れる寸前に、龍神による恵みの雨が降ったという伝承が残る。

当社の境内社に、若宮神社・八幡神社・天満神社・金刀比羅神社・新宮神社・龍神社、境外社に金刀比羅宮がある。

【ご利益】
五穀豊穣、地域安全、家内安全、祈雨・天候
神田神社 滋賀県大津市真野普門町
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