崇神朝の創祀、幕末に移築した上賀茂社の旧社殿が重文、5月石部祭り
吉御子神社 滋賀県湖南市石部西1-15-1
[住所]滋賀県湖南市石部西1-15-1
[電話]0748-77-2246

吉御子神社(よしみこじんじゃ)は、滋賀県湖南市石部西にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「石部鹿塩上神社/石部鹿鹽上神社(近江国・甲賀郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

社伝によれば、第10代崇神天皇68年、石部山に神が降り、第11代垂仁天皇2年に宇加之彦の子が吉比古・吉比女の二神を黒の御前に祀ったのが、当社の起源。

『倭姫命世記』に「倭姫命度坐時尓、阿佐加潟尓多気連等祖、宇加乃彦之子、吉比女、次吉彦二人参相支、爾時吉姫、地口御田、并麻園進」とある(該当箇所)。

吉姫・吉彦の後裔である多気連が祀った神社であるという。御祭神は、吉彦命・鹿葦津姫命・吉姫命。

平安時代初期、嵯峨天皇の弘仁3年(812年)、山崩れにより、現社地に遷座し、平安時代前期の承平5年(935年)、現社号に改称した。

中世以前は社領や宝物も多くあったが、戦国時代の長享年間(1487年-1489年)に六角氏によって押領され、今は字名として御神田の名を残している。

『神祇志料』には、「今石部駅に在り、上下両社とす。上を吉姫明神・下を吉彦明神といふ。即駅中の生土神也」とある。

当社の南東1キロにある吉姫神社とは、当社が男神に対して、吉姫神社が女神という、一対の関係になっている。

幕末の元治元年(1864年)、社殿が大破したため、山城国上賀茂神社の旧社殿を移築したのが現在の本殿で、国の重要文化財に指定されている。

また、平安時代の作とされる吉彦命木造坐像も国の重要文化財。石部祭りでも使用される神輿が、市の文化財に指定されている。

かつて境内社だった八幡社(応神天皇)と白鬚社(猿田彦命)を現在は相殿に祀る。参道入口の左手に「内侍所御泊輦遺跡」と刻まれた石碑が建っている。

例祭は5月1日で、石部祭り。起源は定かではないが、古くは4月中の酉の日に行われていたという。明治から現行日で斎行されている。

前日4月30日の宵宮祭には氏子の宮籠りがあり、神楽が奉奏される。

例祭当日は午前9時から祭典が本殿であり、引き続き御分霊を神輿に移して行列を整え、吉姫神社の神輿と同時に出発し、御旅行に向かう。

大神輿、子供神輿は夕方まで氏子中を巡行する。

なお、式内社「石部鹿塩上神社」の論社は他に、先の吉姫神社があり、また、甲賀市水口町北脇の柏木神社が参考社とされる。

【ご利益】
厄災除け、安産、交通安全
吉御子神社 滋賀県湖南市石部西
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