『倭姫命世記』吉姫・吉彦の後裔が奉斎、宮前の湧水、木造の狛犬
吉姫神社 滋賀県湖南市石部東8-4-1
[住所]滋賀県湖南市石部東8-4-1
[電話]0748-77-2520

吉姫神社(よしひめじんじゃ)は、滋賀県湖南市石部東にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「石部鹿塩上神社/石部鹿鹽上神社(近江国・甲賀郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。もとは現在の御旅所の位置、字上田に鎮座し、上田大明神とも称された。

『倭姫命世記』に、「倭姫命度坐時尓、阿佐加潟尓多気連等祖、宇加乃彦之子、吉比女、次吉彦二人参相支、爾時吉姫、地口御田、并麻園進」とある(該当箇所)。

吉姫・吉彦の後裔である多気連が祀った神社だという。越前国今立郡の石部神社でも、吉日古命・吉日売命が祀られている。

当地は交通の要衝で、後世は石部宿と呼ばれ、伊勢への道筋だった。倭姫命の巡幸路で、第11代垂仁天皇4年、淡海国甲賀の甲可日雲宮に遷り、4年間奉斎、とある。

社殿背後の小山の山頂には、6世紀頃の古墳があるという。戦国時代の明応年間(1492年-1501年)に兵火にかかり焼失。天文3年(1534年)、現在地に遷座したという。

鹿鹽上社吉比女大明神とも称した。『神祇志料』には、「今石部駅に在り、上下両社とす。上を吉姫明神・下を吉彦明神といふ」とある。

当社の北西1キロほどに吉御子神社が鎮座し、当社が女神、吉御子神社が男神と、一対の関係になっている。

御祭神は、上鹿葺津姫神・吉比女大神。木花開耶姫命を配祀する。上鹿葺津姫神は不詳だが、吉御子神社では鹿葦津姫神が祀られ、木花開耶姫命と同神とされている。

明治元年(1868年)、現社号に改称、同年9月の明治天皇東幸の際、神祇判官植松少尉を使いとして当社に参向させ、幣帛料を下賜された。

明治9年(1876年)10月、村社に列した。例祭は5月1日で、石部祭り。吉御子神社とともに行われ、いずれからも神輿が出て、市内を巡行する。

境内摂社に世継神社(天忍穂耳命)、境内末社に出世天満宮(菅原道真公)、和田津見神社(水波之売命)、稲荷社(宇迦之御魂神)がある。

境内には万病に効果があるとされる宮前の湧水がある。また、木造の狛犬は南北朝時代の作とされ、何ともいえない愛らしい表情が魅力だという。

なお、式内社「石部鹿塩上神社」の論社は他に、先の吉御子神社があり、また、甲賀市水口町北脇の柏木神社が参考社とされる。

【ご利益】
地域安全、家内安全、子宝・安産、交通安全
吉姫神社 滋賀県湖南市石部東
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