豊臣秀吉が神恩に浴し命名、江戸期に衰退、8月夏祭り、1月此花えびす
[住所]大阪府大阪市此花区伝法2-10-18
[電話]06-6461-3592

鴉宮(からすのみや)は、大阪府大阪市此花区伝法にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

鎌倉時代前期、第84代順徳天皇の建保3年(1215年)4月、村と港の繁栄を祈念し、伝法村の中心に傳母頭神社(もりすじんじゃ)として鎮座した。

御祭神は、天照皇大神・住吉大神・神使霊鳥八咫烏・恵比須大神・市杵島比売大神。住吉大神は四神とされているので、住吉三神神功皇后のことだろう。

安土桃山時代の文禄元年2月(1592年)、豊臣秀吉は瀬戸内より日本海への渡航に際し、神前に祈願したところ、当社殿奥の森から三足の鴉が出現。

航海の安全守護の他、瑞祥を示さんとの神告があり、お告げの通り無事平安に帰国を果たした。秀吉は大いに感激し、「鴉宮」と命名、現在地に遷宮したという。

現在、正連寺川に架る橋を「森巣橋」というのも、この由緒によるものである。現在、正連寺川の土手下に鎮座し、土手の上から境内を見下ろせる。

往古より、熊野郡那智大社、山形出羽天山神祓、京都下鴨神社など、霊鳥「八咫烏」すなわち三足の鴉に関係した神話が多く残されている、という。

ただし、『古事記』に八咫烏は登場するものの、三本足の描写はない

江戸時代に入ると、秀吉ゆかりが嫌悪されたか、神領を没収されるなどして衰退したが、明治時代に復興、酉島町の住吉神社、秀野町の住吉神社を合祀した。

正面中央に船の舳先が設えられた、いずれも昭和6年(1931年)建造の拝殿、中門、透かし塀、本殿はいずれも国登録有形文化財。

例祭は11月3日が秋例大祭、8月1日が夏例大祭。前日の7月31日から、屋台が建ち並び、3台の布団太鼓や獅子舞の行列が繰り出され、両日ともに10万人もの人出がある。

1月10日は此花ゑびす大祭で、いわゆる十日戎。福娘から福笹・熊手などの授与がある。

境内社に、酉島神社・秀野神社・申村愛宕神社、琴平社・北港神社・常吉神社・鴉宮稲荷大明神がある。

【ご利益】
航海安全、交通安全、商売繁盛、開運招福
鴉宮 大阪府大阪市此花区伝法
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鴉宮 大阪府大阪市此花区伝法の御朱印