天王宮・天皇宮を合併、8月上旬の例祭は山車や花火で盛り上がる
[住所]静岡県浜松市東区天王町1484
[電話]053-421-6447

大歳神社(おおとしじんじゃ)は、静岡県浜松市東区天王町にある神社。天王宮大歳神社として知られる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「大歳神社(遠江国・長上郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

もとは、天王宮・天皇宮・大歳神社の別々の三社からなっていたが、江戸時代後期の文化3年(1806年)の秋に合併。いずれも創祀・創建年代は不詳。

ただ、天王宮は、事代主命が須羽(すわ)の地に、天王社を建立して先祖を祀ったと伝わる。御祭神は素戔鳴尊(牛頭天王)。素戔嗚尊奉祀神社「全国清々会」にも加盟している。

現在までに、櫛稲田媛命大己貴尊、事代主命、伊邪那岐尊伊邪那美命武甕槌命経津主命太田多根子命を併せて祀る。

この霊殿に対して、第12代景行天皇40年、日本武尊による東征に際して、この地の首長である御久和神人が当地に奉遷したという。

この御久和神人は現在、境内末社として御久和稲荷社で祀られている。御久和稲荷社の他の御祭神は、蒼稲霊命・春埜命・伊雑皇命・伊佐波留命・大山祇命

平安時代初期、坂上田村麻呂が東征に出陣の際、武運長久を祈願したとも伝えられる。

大歳神社が式内社となる。平安時代初期までには創立していたことになる。御祭神は大歳神。なお、式内社「大歳神社」の論社は他に、市内東区神立町の蒲神明宮がある。

天皇宮は、長慶天皇神韴霊及び南朝五皇統天皇の御神霊を奉斎している。つまり、南北朝時代を過ぎ、室町時代以降の祭祀となる。一説に、長慶天皇の行幸があった地とも。

例祭は8月2日。現在は8月第1土・日曜日。もともと「小麦祭」と呼ばれ、遠州一円の金神方災除、諸病疫病除の祭典として知られる。

現在は、境内に出店が並ぶほか、夕方頃には氏子四町屋台と呼ばれる、各地区から屋台が町内を練り歩き、境内に参入、祭りの雰囲気を盛り上げる。

宵宮では、手筒花火の「梨子花火」が披露される。また、「天王の花火」というものが当社に伝わる。

関ヶ原の戦いで敗れた西軍の武将真田幸村の一子に大助がおり、大坂夏の陣で戦死したとされるが、当社伝によれば、当社社家石津家に入り、余世を送ったとされる。

それ以後、石津家の家紋は真田家の裏紋(左巻雁)に改められたという。その一族が時代の新兵器としていた痕火火薬が当社の花火の起源だとされる。

御久和稲荷社の他、当社氏子崇敬者の祖霊を祀る祖霊社がある。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、五穀豊穣、金運、諸願成就(公式HP
大歳神社 静岡県浜松市東区天王町
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