豊受大神が船で渡御してきた地、神宮御厨、遠州の大社、虫封じ
[住所]静岡県磐田市鎌田2262
[電話]0538-32-6308

鎌田神明宮(かまだしんめいぐう)は、静岡県磐田市鎌田にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「嶋名神社/島名神社(遠江国・山名郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

天武天皇2年(651年)、伊勢国から豊受大神が福田町中島の里に渡御した。村人たちは恐れおののいて近づけなかったという。

そこで、草で編んだ薦を引いてその上に大神に御座り願い、その前で伏し拝んだと伝えられている。

大神は白羽の箭(矢)となって光輝いたため、翌日、船とともにこの箭を納めた。このとき仮御殿を建てて奉斎したのが当宮の起源。この地は假屋崎と呼ばれた。

その3日後、この箭は農具の鎌とともに当地に飛来。そのため鎌田の地名が生まれた。当宮は古来、島名神社とも称した。

鎌田の地は平安時代初期には伊勢の神宮(伊勢神宮)の神領である御厨となった。

『吾妻鏡』には延長年間(923年-931年)には豊受大神宮(外宮)禰宜の爲保が給主となっていたことが記されている。

『神鳳抄』によれば、当地の御厨は面積100町、皇大神宮(内宮)、外宮に上分として絹21丁を納めたという。

鍬影・長江・東貝塚・西貝塚・大久保新田・反所・稗原・新出・中・東新屋・和口・小島・南島・五十子・蛭池・大立野・西之島・下太・中島の19ヶ村からなる。

この19ヶ村は現在では21ヶ村で、村の各社は現在も当宮の摂社であり、当宮を総鎮守としている。

鎌倉時代になると、源頼朝や鎌倉幕府からも保護された。戦国時代の元亀3年(1572年)、武田信玄勢の焼き打ちにあって焼失。

しかし安土桃山時代の天正17年(1589年)、徳川家康により100石の寄進を受け、復興する。これは、徳川家光など御朱印領として続く。

遠州地方において、小国神社五社大明神、諏訪大明神蒲神明宮中泉八幡宮白羽大明神日坂八幡宮に次ぐ待遇となった。

明治6年(1873年)、村社に列し、明治12年(1879年)に県社に昇格した。現在までに、相殿に瓊瓊杵尊天児屋根命天太玉命を祀る。

虫封じが有名で、幼児の癇の虫を鎌で刈り取って封じ、10年の満願の時に御礼として鎌を奉納する。

例祭は旧暦6月15日・16日。大祭は9月最終土・日曜日。

境内社に、天磐戸社(伊勢津彦命)、白髭社(猿田彦命)、大福天社(天太玉命)、高根社(彦火火出見尊)、若宮社(宇犀之若郎子之命)、若宮八幡宮(大雀命)、竒神社(少彦名命)、稲荷社(倉稲魂命)、八幡社(品陀別尊)、青麻大神(雨夜尊、壽根霊命)、塩釜社(武甕槌命経津主命塩土老翁命)、伊雑宮(伊雑登美能命)、天照皇大神宮(大日霊貴命)、船魂大神(猿田彦神)など、小宮様十五社と総称される。

【ご利益】
五穀豊穣、開運招福、虫封じ(公式HP
鎌田神明宮 静岡県磐田市鎌田
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