「にしきおり」水郡天王宮・上の水分社、室町期本殿が重文
[住所]大阪府富田林市宮甲田町9-46
[電話]0721-25-2770

錦織神社(にしきおりじんじゃ)は、大阪府富田林市宮甲田町にある神社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

地元では、錦織を「にしこり」「にしこおり」「にしごり」と訛って呼んでいる。

当社のある地域は、太古は「錦部(にしごり)部」と呼ばれていたようで、古くは織物の技術を持つ人々が百済より渡来し住みついていたとされている。

『和名類聚抄』には「百済郷」がみえる。

当社は錦部部(錦部氏)の氏神である。 創建年代は不明であるが、昭和10年(1935年)の本殿修理の際に、地中から平安時代中期の丸瓦・平瓦が発見された。

平安時代中期、あるいはそれ以前に創建されたと推定されている。

大和川支流の石川の谷に位置し、建水分神社美具久留御魂神社とともに、古くから河内国の三水分社として広く信仰を集めていた。

水郡天王宮とも、あるいは三水分社の「上の水分社」とも称された。

川西小学校の門の横に鳥居があり、そこから約150メートルの長い参道が続いている。途中に天誅組決起の碑が建っている。

社務所と拝殿の間を通りぬけると、正面に本殿、その両脇に摂社の社殿が並んで見える。

主祭神は、建速素戔嗚命品陀別命菅原道真で、それぞれ中央・左側・右側の社殿に祀られている。

本殿は南北朝時代の正平18年(1363年)の建築。入母屋造三間社、正面千鳥破風、軒唐破風付き、檜皮葺き。

屋根の斜面正面につけられた三角形の千鳥破風が唐破風の上に位置する。こうした屋根形式は室町時代の神社建築としては珍しく、貴重なものとされる。

正面の向拝には丸みを帯びた唐破風を造り、この建築様式は江戸時代に建築された神社に多く採用され、「錦織造り」と呼ばれ、日光東照宮にも影響を与えたという。

天神社・春日社の両境内摂社は小規模な流造二間社で、天神社には文明12年(1480年)の棟札があり、春日社も同じ頃の建築と推定される。

本社本殿と両摂社の本殿はいずれも、国の重要文化財に指定されている。

例祭は10月第2土曜日で、秋期大祭。だんじりの宮入りが行われる。いわゆる南河内だんじり祭りの一つ。

なお、神奈川県小田原市の大稲荷神社の境内社には同字異音の神社がある。小田原市のものは、プロテニス選手の錦織圭の読みと同音のため、錦織圭の活躍により話題となった。

当社も同字のため、錦織圭と絡めて語られることもある。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、安産、学業・受験合格
錦織神社 大阪府富田林市宮甲田町
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