源頼朝が宿陣、善福寺池の弁財天、近郷崇敬の雨乞いの神
[住所]東京都杉並区善福寺3-18
[電話]03-3399-8133 - 井草八幡宮

市杵嶋神社(いちきしまじんじゃ)は、東京都杉並区善福寺、善福寺公園内にある神社。遅野井市杵嶋神社とも。現在は井草八幡宮の兼務社。御朱印の有無は不明。

鎌倉時代初期の文治5年(1189年)、源頼朝が奥州合戦の途時、この地に宿陣し、飲水を求めて弓筈で各所に穴をあけたが、水の出が遅く、弁財天に祈り、やっと水を得た。

この故事にならい、建久8年(1197年)に江ノ島弁財天(現 江島神社)を勧請したのが当社の始まり。当地の旧名である「遅の井(おそのい)」もこの故事が由来。

御祭神は市杵嶋姫命である。江戸時代初期の寛永年間(1624年-1644年)、それまで祀られていた右手奥の島から現在地へ移されたといわれている。

近世を通じて、善福寺池の弁財天として知られ、『新編武蔵風土記稿』にも、下記のようにある。
池の南に弁天の祠あり。一尺(約30センチ)四方にて南に向ふ。本尊は石の坐像にて、長八寸(約24センチ)はかり
かつて旱魃の折には、近隣の練馬(現 練馬区、板橋区付近)や中野(現 中野区付近)などの村からも雨乞い祈願に訪れたといわれている。

雨乞い行事は、池水を入れた青竹の筒2本を竹竿につるして担ぎ、その後に村人達が菅笠を被り、太鼓をたたいて「ホーホィ、ナンボェゝ」と唱えながら村境を巡った。

また氏神の前に井戸水と池水をはった四斗樽4個をすえ、四方に散水しながら祈ったともいわれている。

この、旱魃の年ごとに行われてきた雨乞いの行事も、昭和24年(1949年)を最後に見られなくなったという。

また、かつて社殿へ向かう太鼓橋が架けられていたが、橋は井草八幡宮の境内に移設されており、社殿正面の前に向かうことができない。

例祭は4月8日。

【ご利益】
祈雨・天候、スポーツ・技芸上達
市杵嶋神社 東京都杉並区善福寺
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