物部系で中臣氏と同祖の殖栗連、10月例祭に市場町獅子舞
[住所]三重県四日市市西村町2808
[電話]059-339-0056

殖栗神社(えぐりじんじゃ)は、三重県四日市市西村町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「殖栗神社(伊勢国・朝明郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

朝明郡の式内社には、物部氏族の穂積氏に関係するという穂積神社(広永町菰野町)がある。

隣接する員弁郡には、雄略朝の朝日郎の乱により物部目連が領することになったともいう猪名部の奉斎する猪名部神社(東員町藤原町)がある。

また、物部守屋大連の配下に捕鳥部万がいる鳥取部に関係するとされる、鳥取神社(大安町東員町)・鳥取山田神社がある。

当社も、これらと同じく、『続日本紀』和銅2年6月28日条にみえる、殖栗物部により創祀された可能性があるという。

そのため、奈良時代の和銅2年(709年)の創建とされ、天平3年(731年)の紀年がある棟札があるという。

『新撰姓氏録』左京神別に、「大中臣と同じき祖」とされる殖栗連の祖神、天児屋根命を祀る。

当社から東へ約1.5キロの地、小牧町には「殖栗連の墓」とも称さる若宮古墳がある。

当社は、もとは現在地より北西に900メートルほど、保々村大字市場字竹千代1784番地に鎮座していた。

当地は伊勢の神宮(伊勢神宮)の保々御厨があり、伊勢神宮とはゆかりが深い。

明治6年(1873年)3月、村社に列し、明治39年(1906年)には神饒幣帛料供進社に指定され、明治44年(1911年)、現在地に遷座した。

朝明川南岸、保々中学校の北に接している。旧地には現在、春日神社が鎮座している。

式内社「殖栗神社」は、明治期には複数の論社があったが、一村一社の方針により、すべて当社に合祀・統合された。

御祭神は天児屋根命の他、宇迦之御魂命応神天皇天照大御神大山祇命素戔嗚尊天穂日命蛭子命・殖栗連・市寸島比売命大土神

例祭は10月9日前後の日曜日。市の無形民俗文化財に指定されている市場町獅子舞が奉納される。

境内社に稲荷神社がある。保々尋常高等小学校で戦前に奉安殿として使われていた建物を社殿としている。

手水鉢は、藤原秀郷の後胤である中野城主赤堀藤太郎の遺物とされている。

なお、大和国城上郡にも同名の式内社がある。

【ご利益】
家内安全、一族・子孫繁栄、病魔退散、厄災除け
殖栗神社 三重県四日市市西村町
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