大崎村と柳古新田村の産土神、8月翁式三番、「滝谷の清水」
[住所]新潟県南魚沼市大崎4042
[電話]-

大前神社(おおさきじんじゃ)は、新潟県南魚沼市大崎にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「大前神社(越後国・魚沼郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創建年代には諸説ある。奈良時代の和銅年間(708年-715年)に瓊瓊杵尊の御分霊を勧請した、というもの。

また、平安時代初期の弘仁年間(810年-824年)に稲荷神の御分霊が勧請された、とも。

さらに、創祀年代は不詳だが、当初は標高1967メートルの巻機山に鎮座し、大同2年(807年)に大田諸命を遷座した、などとも。

どちらにしろ、古くから大崎村と柳古新田村の産土神として信仰されてきた。境内からは八海山への登拝口もあり、八海山信仰とも関わっていたともされる。

ただし、以降中世にかけて、記録がない。関ヶ原の戦いにおいて、越後では上杉景勝に呼応して上杉遺民一揆が発生し、時の神官が会津に逃れたという。

江戸時代初期の元和年間(1615年-1624年)、後の神官となる山田吉重により再興された。

江戸時代中期の享保15年(1730年)、伏見稲荷大社の御分霊を勧請して、「稲荷神社」や「稲荷大明神」などと呼ばれるようになった。

宝暦7年(1757年)、現在の拝殿が再建された。寛政9年(1797年)、吉田家の宗源宣旨によって旧社号と思われる現社号に復した。

江戸時代後期の文化3年(1806年)には現在の本殿が再建された。一間社流造、銅板葺、向拝木鼻には象、漠、獅子の彫刻が施され、意匠的にも優れた建築。

明治になり、仏式が排され、明治6年(1873年)、村社に列した。

現在までに、御祭神は宇迦之御魂命佐田彦命大宮能売命大己貴命神功皇后で、稲荷五神とされる。

異説に、太田諸命・天津彦火瓊々杵尊の他、豊城入彦命大山祇命豊受比売命などがある。

例祭は8月15日。前日の宵宮に奉納される翁式三番は「翁」「千歳」「三番叟」で構成される舞で、平安時代に発生した大和猿楽を継承する。

「千歳」は露払い的な舞、「翁」は儀式的な舞い、「三番叟」は面白おかしく狂言風に演じるところに特色がある。

貴重な郷土芸能として、県の無形民俗文化財に指定されている。当日15日には10時から17時まで、神輿渡御が行われ、20時からは歌謡ショーが開催される。

境内では県名水百選「滝谷の清水」が湧き出し、そこから引き込まれた水が手水として利用されている。

【ご利益】
五穀豊穣、商売繁盛、厄災除け、スポーツ・技芸上達
大前神社 新潟県南魚沼市大崎
【関連記事】
新潟県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、新潟県に鎮座している神社の一覧