江戸初期の九条島開発で勧請、一大歓楽街、御神木「焼け楠」
[住所]大阪府大阪市西区九条1-1-17
[電話]06-6582-2211

茨住吉神社(いばらすみよしじんじゃ)は、大阪府大阪市西区九条にある神社。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

江戸時代初期の寛永元年(1624年)、香西晢雲が九条島開発の際に勧請して創建された。以降、摂津国西成郡九条村の産土神社となった。

御祭神は、底筒男命中筒男命表筒男命住吉三神と、息長足媛命。同じく晢雲が九条島開発の際に建立した竹林寺も近隣に所在する。

社名は荊棘を駆除して社殿を建設したことから茨の字を冠したとも、摂津国菟原郡住吉村の本住吉神社を分祀したので、菟原が茨と転訛したとも伝わる。

明治5年(1872年)、郷社に列し、明治39年(1906年)12月24日、神饌幣帛料供進社に指定された。

明治41年(1908年)には、泉尾新田の産土神社を合祀を合祀した。この産土神社は、元禄12年(1699年)の新田開墾の時に勧請されたもの。

明治元年には島の北東部川口の辺りに外人居留地が設定され、もとは西区新町にあった江戸時代初期からの幕府公認遊郭の新町廓が移転。

この遊廓は、昭和に入ってからの売春防止法により表向きの営業は禁止されたが、特殊飲食店として開業した。

つまり、当社前は一大歓楽街だったわけで、特に大正から昭和初期にかけて大いに賑わったという。

昭和20年(1945年)3月、大阪大空襲で焼失したが、昭和40年(1965年)に現在の鉄筋コンクリート造2階建の社殿が再建された。

昭和46年(1971年)には、参集殿・渡廊・鳥居門・手水舎・石玉垣などもそれぞれ完成した。

現在は、大阪ドームの北側の大通りに位置する。古くから脚気に霊験ありとされ、足神さまとしても知られた。多くの藁ぞうりが奉納されている。

境内には、樹齢700年ともされる「焼け楠」と呼ばれる大クスの御神木がある。その名は、大阪大空襲により幹の大半が焼けてしまったため。

樹齢から考えて、当社の創建をはるかに遡る時期からこの地の九条島にあったものであり、当社の創始はこの楠を祀ったものとの見方もある。

例祭は7月23日で、夏祭り。神輿・獅子舞・亀甲太鼓・傘踊りが九条の街を巡行し、沿道にはたくさんの夜店が立ち並ぶ、地元の一大イベント。

他に、「とんど」「節分餅まき神事」などの行事がある。当社の境内社に、市杵島姫神社・玉照稲荷神社がある。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、子宝・安産、交通安全
茨住吉神社 大阪府大阪市西区九条
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