和泉国府の外港、式内「粟神社」などを合祀、10月だんじり
[住所]大阪府泉大津市若宮町4-12
[電話]0725-32-0603

大津神社(おおつじんじゃ)は、大阪府泉大津市若宮町にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

当社の創祀・創建年代は不詳。大津の地名は、和泉国の国府の外港という意味の「小津(おづ)」から変化したという。

平安時代の承平5年(935年)、『土佐日記』には「小津」と記載され、康平元年(1058年)までの『更級日記』には「大津」とある。

当社地はいわゆる「小津の泊り」の地。康平7年(1064年)、八幡大神を勧請し、若宮八幡宮(息長帯姫命品陀別命)を称した。

若宮八幡神社とも呼ばれたこの八幡には、境内社として、広良神社(彦五瀬命)がある。

明治41年(1908年)、近隣の宇多神社、神明神社、菅原神社を合祀し、粟堂、事代主神社を境内社として合併した。

この粟堂は、『延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 和泉国 和泉郡「粟神社」に比定される式内社(小社)。

『続日本紀』宝亀7年(776年)6月に、「近衛大初位下粟人道足等十人賜姓粟直」とある、忌部(斎部)氏の一族である粟氏が祖神天太玉命を祀ったものだという。

粟神社はその昔、地方一円の鎮守として栄えたが、明治の初め頃には境内地も縮小して後にはわずかに一小祠があるだけとなっていた。

現在覆屋内に納められている粟神社の本殿は、室町後期の建立と考えられ、慶長年間(1596年-1615年)と元禄年間(1688年-1704年)に改修された。市有形文化財。

近年、この粟神社と御祭神にちなみ、有志から「厄除桃方位盤」が奉納され、現在は拝殿前に安置されている。

宇多神社は創建や由緒は不詳も、その昔、小津の泊りの一地点に海上風波鎮護の神社として、素盞鳴尊を祀ったものとされる。

天正年間(1573年-1593年)、根来戦乱の際に、淡輪六郎の父、淡輪大和守徹齋が形勢不利を悟り、一族郎党18家を率いて、大津に隠れた。

その時、奉じて来きた神仏像を安置したのが、市内本町の来迎院であり、神明神社(天照大神・船玉神)だったという。

江戸時代中期の享保年間(1716年-1736年)、海岸にすんでいた漁師が家を建てる際に棟上げしたところ、これが急に倒壊。

占ったところ、「地中に埋もれる物あり」と出て、地中を掘ってみると、高さ2尺ほどの青石に「天満宮」と刻された碑が出土した。

これを奉斎したのが菅原神社(菅原道真)だという。

また、事代主神社(事代主神・天照大神・武甕槌命経津主命)は、天正年間に藤林定吉與左衛門と、真鍋某とが、摂津西宮の御神霊を勧請して奉斎したもの。

事代主神社の末社に、摂津廣田社を勧請した広田神社(天児屋根命・比咩大神・天照大神)と住吉神社(底筒男命中筒男命表筒男命・息長帯姫命)がある。

現在までの当社には、他の末社として、稲荷社(宇迦之御魂大神)がある。

例祭は10月体育の日の前日で、秋季例大祭。その前日の宵宮含め、境内には観覧席が設けられ、だんじりの宮入りが行われる。

4月3日が春季例祭で、御神楽奉納がある。1月9日からは事代主神社の例祭として、十日戎がある。1月15日はとんど祭。

【ご利益】
厄災除け、方除け、安産、商売繁盛(公式HP
大津神社 大阪府泉大津市若宮町
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