瘡毒平癒の神で江戸にまで知られた霊験、ムクノキの古木
笠森神社 大阪府高槻市西真上1-7-5
[住所]大阪府高槻市西真上1-7-5
[電話]072-685-0022

笠森神社(かさのもりじんじゃ)は、大阪府高槻市西真上にある神社。現在は、神社本庁に属さない単立神社。御朱印の有無は不明。

真上と清福寺の地区境を大きく流れ、いっきに南流する芥川にそそぎ込む真如寺川。川をはさんで西に真上小学校、東に当社が鎮座する。

笠森稲荷(かさのもりいなり/かさもりいなり)とも、笠森稲荷神社とも呼ばれる。御祭神は宇賀御魂神

創建年代は不詳。社号はかつて祀られていたという稚武彦命と鴨別命を祖とする笠氏にちなんだもので、在地の領主、真上氏の崇敬が厚かったという。

江戸時代には笠森稲荷といえば有名で、瘡(かさ=梅毒のこと)を治す霊験があるとされ、多くの人々の信仰を集めてた。

「笠」と「瘡」は、ともに「かさ」と読むことから、瘡毒平癒の神として信仰されたともされる。

江戸時代後期の文化人である大田南畝(蜀山人)の『武江披抄』には、「摂津国芥川瘡守稲荷を屋敷の鎮守へ勧請」とあり、江戸にまでその名がとどろいていた。

この屋敷は、後に療養所が置かれた小石川の白山御殿跡で、現在の東京都文京区白山3-7-1。後に台東区谷中3-1-2の大円寺境内に遷座した。

また、感応寺(天保3年(1833年)に天王寺と改称)の塔頭である福泉院境内、現在の東京都台東区谷中7-6-9にも勧請され、現在は功徳林寺の境内社となっている。

この功徳林寺境内の笠森稲荷神社が、江戸三大美人のお仙ゆかりの社とされる。

『摂津名所図会』によると、当社の霊験は各地に広がり、多くの人がお参りにやってきては、当社に土の団子を捧げて病気平癒を祈ったという。

昭和の初めごろまで、当社には、土の団子を二つ重ねたものが、神前に供えられていたという。

また、淀川の三島江浜、唐崎浜から続く道が当社のすぐそばを通っており、道沿いには「神峯山寺道」の道標が立っている。

江戸時代には、商売繁盛を願った商人たちが行き交ったこの道を介して、当社の霊験の情報発信がされていたという。

当社境内には、樹高22.5メートル、幹周3.54メートルのムクノキの古木があり、市の保存樹木に指定されている。

なお、当社は参拝日時が決まっており、開門日は毎月1日・5日・15日・25日で、開門時間は8時から17時まで。

市内宮之川原元町の神服神社の神輿が当社まで渡御するなど、深い関係にあったことが知られている。

【ご利益】
病気平癒、病魔退散、商売繁盛
笠森神社 大阪府高槻市西真上
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