功徳林寺境内、江戸三大美人、元祖日本の女性アイドルお仙
[住所]東京都台東区谷中7-6-9
[電話]03-3821-4469 - 功徳林寺

笠森稲荷神社(かさもりいなりじんじゃ)は、東京都台東区谷中の功徳林寺境内にある神社。参拝すれば、功徳林寺で御朱印を頂ける。

大阪府高槻市の笠森神社(笠森稲荷)から、感応寺(天保3年(1833年)に天王寺と改称)の塔頭である福泉院境内、つまり現在地に勧請された。

御祭神は宇賀御魂神か、あるいは瘡守薬王菩薩として勧請されたともされるので、別の御祭神か。

境内または門前にあった水茶屋「鍵屋」の看板娘であるお仙が有名だった。浅草の楊枝屋の娘お藤、浅草の茶屋の娘およしとともに、江戸三美人の一人。

笠森お仙とも呼ばれ、江戸時代の浮世絵師えある鈴木春信が「お仙茶屋」として、浮世絵に描いたことで知られる。

お仙の美貌を一目でもと、鍵屋の前には連日、引きもきらずの大盛況で、当社への参拝もお仙めあてにどっと押し寄せたといいわれる。

また、「鍵屋」は美人画の他、手ぬぐいや絵草紙、すごろくといった所謂「お仙グッズ」も販売していたという。

近世にも変わらぬ商売魂。日本の元祖女性アイドルとして現在も広く認知されている。

明和7年(1770年)2月、人気絶頂だったお仙は突然鍵屋から姿を消した。お仙は旗本の武士の家に嫁ぎ、9人の子に恵まれ、77歳の天寿をまっとうしたという。

お仙の墓は東京都中野区上高田の正見寺にある。小説家の永井荷風にお仙を題材とした『恋衣花笠森』という作品があり、お仙について詳細に描いている。

福泉院は明治になり廃寺、当社は上野桜木1-15-9の養寿院に遷座した。

その跡には明治26年(1893年)に功徳林寺が建立され、境内に改めて当社が祀られた。

台東区谷中3-1-2の大円寺境内にも、大阪笠森稲荷を勧請した稲荷がある。ここに、笹川臨風の「お仙と春信の顕彰碑」、永井荷風の「笠森阿仙之碑」がある。

しかし、この大円寺の稲荷社は、もとは小石川、現在の文京区白山3-7-1に勧請されたもので、お仙が鍵屋で活躍した頃は、まだ小石川に鎮座していたと思われる。

小石川から谷中の現在地に遷座したのは、享和3年(1803年)とされる。

なお、江戸七森、そして江戸廿一森の一つである「笹森」と混同される場合があるが、「笹森」は、谷中2-1-5にある真島稲荷神社に比定される。

【ご利益】
良縁・縁結び、子宝・安産、美容、健康長寿
笠森稲荷神社 東京都台東区谷中
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笠森稲荷神社 東京都台東区谷中の御朱印