水陸両運、二つの街道を守護する神、合祀の旧尾崎神社跡地
二俣神社 宮城県石巻市三輪田字尾崎前2
[住所]宮城県石巻市三輪田字尾崎前2
[電話]0225-74-2117

二俣神社(ふたまたじんじゃ)は、宮城県石巻市三輪田にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「二俣神社(陸奥国・桃生郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。もとは大森村上辻堂青ヶ崎、現在の梨の木に鎮座していた。当時の境内は広く大樹に覆われ、鬱蒼としていたという。

北上川の分岐点にあって、舟の航行の安全を守護する神だったという。一説には、一関街道と十五浜街道とが交差する地点で、陸路を旅する際の守護神とも。

水陸、あるいは陸の二つの街道、これらが社名の由来になったものか。塞神を祀っており、交通・運送などに関係が深い。

御祭神は、八衢比古神水戸神、八衢比買神、船戸神。宮城県神社庁では水戸神・船戸神の2柱のみを掲載している。

また、境内石碑にある「八衢比買神」は「八衢比売神」の誤記だろう。

明治5年(1872年)11月には旧大森村の村社に列し、明治22年(1889年)4月に当時の4ヶ村が合併して誕生した新制二俣村の村社となった。

明治40年(1907年)3月には神饌幣帛料供進社に指定され、明治41年(1908年)12月、下記の村内神社を合祀した。

旧三輪田村村社尾崎神社(宇迦御霊神須佐之男神)、旧東福田村村社誉田別神、旧北境村村社宇迦乃御魂神、旧大森村五十鈴神社、辻堂稲荷神社、その他の無格社。

明治44年(1911年)には、たびたび北上川の氾濫被害に遭っていた旧地の梨の木から、現在地の旧尾崎神社跡地に遷座した。

旧地の梨の木には、梨木二俣神社がある。現在までに当社では、上記合祀神社の御祭神など、保食神・須佐之男命・誉田別尊を配祀している。

現在、鳥居扁額などには、「八幡神社 式内村社二俣神社 羽黒神社」「稲荷神社」など、各種神社の名称を見て取ることができる。

移転後、昭和3年(1928年)11月に社殿を新築。しかし、それも老朽化が進み、平成4年(1993年)、造り替えが総代会議で決まった。

平成7年(1996年)4月に着工し、同年9月に竣工。氏子一戸当たり6万円の浄財をもとに、総工費2901万2000円。

例祭は11月3日。境内に生えるケヤキは、推定樹齢250年、樹高35メートル、幹周3.7メートルで、市指定天然記念物。

なお、式内社「二俣神社」の他の論社に、東松島市の石上神社がある。

【ご利益】
旅行・交通安全、産業振興、家内安全、地域安全
二俣神社 宮城県石巻市三輪田尾崎前
【関連記事】
宮城県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、宮城県に鎮座している神社の一覧