成務朝の勧請、平安期に勅使で遷座、10月に奇祭「水かけ祭」
[住所]福島県福島市岡島字竹ノ内63
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鹿島神社(かしまじんじゃ)は、福島県福島市岡島にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「鹿島神社/鹿嶋神社(陸奥国・信夫郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

第13代成務天皇の御代、信夫国造である久麻直命が東北開発を祈願して、常陸国鹿島大明神を高松山山頂に勧請したという。御祭神は武甕槌命

別の説に、鹿島大神が東征の際、天神平に鎮座していたものを額塚に遷座し、神威により通行者の落馬があったため高松山に遷座したとも。

平安時代、さらに神威が止まらなかったので、時の高倉天皇に奏聞し、安元2年(1176年)には勅使が差遣され、源氏山に遷座した。

南北朝時代、南朝の忠臣である北畠顕家は、その臣の高松近江守定隆に命じて、当社を再興させた。

江戸時代中期の寛延年間(1748年-1751年)に火災で焼失した。そのため、規模を縮小して、現在地の竹ノ内に遷座した。

古社地である高松山は当社の東にある標高192メートルほどの山で、山頂には当社の奥ノ院として、石祠があるという。

また、源氏山は、当社のすぐ南にあり、現在では、当社地を含む一帯を源氏山ともいう。

例祭は10月第4日曜日。いわゆる「水かけ祭」が行われる。昔、この里に悪い病が蔓延した時、神のお告げにより、その平癒を祈願して水かけが行われたのが始まり。

その際は、霊験がたちどころに現れ、悪疫は一掃されたという。以来、無病息災・村中安穏を願って行われ、800年以上の伝統があるという奇祭。

氏子の中老と若衆達が水をかけあう「水かけ」と、その後に祭りの世話人や、この一年間に結婚した新婿を担ぎ出し、わらと一緒に大桶に入れる「桶入れ」がある。

「水かけ」は水祭場で、総代、頭前、世話人、中老一斉に水をかける。「桶入れ」は前頭、杜氏、総代の順に入れる。

氏子を七組に分け、毎年各組の持廻りで祭礼が行われる。いわゆる頭屋制。「水かけ祭」は県の重要無形民俗文化財に指定され 福島県十大祭の一つとされる。

また、祭礼の御神酒は特に濁酒(どぶろく)の醸造が公許されているという。参拝者への振る舞いがあるかどうかは不明だが、いわゆるどぶろく祭りの一つ。

境内社に、水天宮、八幡宮・熊野宮・青麻神社などの石祠がある。

なお、式内社「鹿島神社」の論社は他に、市内鳥谷野小田伊達郡国見町に当社および式内同名神社がある。

【ご利益】
武運長久・勝運、事業成功、病魔退散、無病息災
鹿島神社 福島県福島市岡島
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