日本武尊が創祀、奈良期に鹿島を勧請、江戸前期社殿と太鼓獅子
[住所]福島県須賀川市桙衝字亀居山97
[電話]0248-67-2030

桙衝神社(ほこつきじんじゃ)は、福島県須賀川市桙衝にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「桙衝神社(陸奥国・磐瀬郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

社伝によれば、第12代景行天皇の時代、日本武尊が東征の際、亀居山(神居山)に柊(ひいらぎ)の八尋の矛をつきたて、武甕槌神(建御雷命)を祀ったのが創祀。

現在も本殿より左の参道を登れば、祭祀遺跡の「磐座」がある。現在は市の史跡に指定されている。

岩瀬郡の総社として崇敬された。奈良時代の養老2年(718年)に常陸国鹿島大明神を勧請し、鹿島大明神と称された。

『白河風土記』によれば、平安時代、弘法大師空海が回国の時、亀居山の下の沖の塚が輝いているのを不思議に思い、その塚の下で三日三晩、修念した。

そうして、ようやく光は止まり、塚の中から神鉾が現れた。当社はその桙塚の社であるという。

天喜5年(1057年)、源頼義が阿部氏討伐の誓願成就の報恩として、鹿島大明神を当社に合祀。以来、桙衝鹿島大明神と称するようになった。

現在までに、御祭神は日本武尊・建御雷命。

明治3年(1870年)、現社号に改称し、明治5年(1872年)、郷社に列し、明治29年(1886年)には県社に昇格した。

江戸時代前期の慶安元年(1648年)5月、当時の白河藩主榊原忠次の命により建立された本殿は、桁行三間、梁間三間で、切妻の三間社流造。

柱は円柱、柿(こけら)葺きで三方縁、妻飾りの大瓶束を始め、虹梁の上下面や懸魚の形などに時代と地方色が濃厚である。棟札12枚を含め、県の重要文化財に指定されている。

他にも境内には古建築が多く、江戸時代後期の享和元年(1801年)建築の拝殿、神楽殿、山門(随神門)が市の文化財に指定されている。

例祭は9月30日。閏年10月1日には御輿渡御、太鼓獅子舞が行われる。太鼓獅子は、市の無形民俗文化財に指定されている。

奈良時代から続く伝統とされ、稚児ばやしと踊りに和して、賑やかに百足獅子が歩む姿は、優雅華麗にして古風ゆかしいおもかげを今に伝えている。

境内社に、稲荷神社・疱瘡神社・八雲神社・息栖神社・多賀神社・雷神社・熊野神社がある。

【ご利益】
武運長久・勝運、旅行・交通安全、病魔退散
桙衝神社 福島県須賀川市桙衝
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