飛鳥朝の創祀、桃山期に遷座、居都の明神、信夫五社で上宮
[住所]福島県福島市大笹生字折戸41
[電話]024-559-1020

白和瀬神社(しらわせじんじゃ)は、福島県福島市大笹生にある神社。通称は「しあわせ神社」。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「白和瀬神社(陸奥国・信夫郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

飛鳥時代の大化元年(645年)、現在地より北西2キロの標高475メートルの烏帽子岳頂上に鎮座したのが創祀。御祭神は、日本武尊

しかし、地勢が急峻で、参拝に不便だったため、安土桃山時代の天正年間(1573年1591年)、現在地である折戸の地に遷座した。

折戸が、居都とも呼ばれた地だったため、居都の明神とも呼ばれた。

信夫郡の式内社、信夫五社の一社で、さらに白和瀬・東屋沼東屋国の三社を上宮・中宮・下宮として、当社を上宮白和瀬大明神といい、拝殿の扁額にもそれが掲げられている。

『信達一統志』によれば、白和瀬の名は、大伴家持の歌集に、下記のようにあるという。
早田ト作レリ愚案ズルニ 白淡川ノ水上ニ鎮座ス神ナレバ白淡瀬ナルベシ アハノアハヲ約シテ白和瀬ト唱ヘ来リシナム
当社の社号「白和瀬」について、下記の諸説がある。

説1:烏帽子岳麓から流出する水が白淡するという白淡川(八反田川)による白和瀬説

説2:往古、土人が始めて居住した際、神が土人に白い早稲を給わったという白早稲説

説3:御祭神が日本武尊であることからの白鷲説

江戸時代後期の文化12年(1815年)頃、当地方の惣社であった東屋沼神社の支配から独立しようとした動きがあり、寺社奉行をまき込んだ争いがあったという。

明治4年(1871年)、現社号に改称し、明治5年(1872年)には村社に列した。昭和2年(1927年)、郷社を飛び越え、いきなり県社に昇格した。

さらに、当社由緒からいえば、県社以上、つまり官国幣社の資格があるともされたが、神社の維持管理面の不安から、断念したという。

例祭は4月第2日曜日。神事の他、様々なイベントがあり、真剣を使った神楽などが披露される。

境内には御祭神の日本武尊像があり、また、境内社に、車松神社(神日本磐余彦尊)と祖霊社がある。

車松神社は、安産の守神として信仰され、紅白の小さな枕が供えられている。その枕を借り受け、後日お礼として新しい枕を一つ添えてお返しする風習があるという。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、盗難事故除け
白和瀬神社 福島県福島市大笹生
【関連記事】
福島県の旧県社 | 府県社とは? - 旧県社(縣社)・旧府社、その都道府県の中で有力な神社
福島県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、福島県に鎮座している神社の一覧
白和瀬神社 福島県福島市大笹生の御朱印