「萱野の大宮さん」平安期に別殿、明治期に合祀、旧地に巨岩
為那都比古神社 大阪府箕面市石丸
[住所]大阪府箕面市石丸2-10-1
[電話]072-729-7045

為那都比古神社(いなつひこじんじゃ)は、大阪府箕面市石丸にある神社。「萱野の大宮さん」として親しまれている。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 摂津国 豊島郡「爲那都比古神社二座」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創建は不詳。「いな」は、地名に由来し、「為那」のほか「猪名」「為奈」「為名」などと表記され、猪名川流域(摂津国豊島郡と河辺郡)を指す広域地域の名称だった。

猪名地方に居住した豪族による奉斎に始まると考えられ、『新撰姓氏録』に基づき、諸説ある。

・摂津国皇別の為奈真人 - 宣化天皇皇子の火焔王の後。
・摂津国皇別の川原公 - 為奈真人同祖。
・左京神別の猪名部造 - 伊香我色男命の後。
・摂津国諸蕃の為奈部首 - 出自は百済国人の中津波手。
・摂津国未定雑姓の為奈部首 - 伊香我色乎命六世孫の金連の後。

『日本書紀』には、古代のアガタとして「猪名県」の記載が見えることから、当社の奉斎氏族は猪名県主を担ったとする説もある。

境内西方の箕面市如意谷では銅鐸(如意谷銅鐸)が出土しており、それと当社の淵源との関わりを推測する説もある。

主祭神は、為那都比古大神・為那都比売大神。両神は平安時代前期の寛平年間(889年-898年)に別殿に分かれたという。

為那都比売神は明治まで大宮神社で奉斎されており、明治40年(1907年)に当社に合祀された。

大宮神社の跡地はもとの神宮寺のうち、薬師堂のみが残り、その付近には、神が降臨したという巨岩「ヨーガ岩」「医王岩」がある。

かつて、御祭神を牛頭天王とし、神社自体も「天王」と称されていたという。天正年間(1573年-1592年)の織田信長対策(牛頭天王が信長の氏神)だという。

江戸時代の祭礼の様子は『摂津名所図会』などに記されている。

明治維新後、明治5年(1872年)、村社に列し、明治40年2月には神饌幣帛料供進社に指定された。

明治40年6月14日には、前述の大宮神社のほか、旧萱野村10ヶ村の神社、天照皇大神大山咋神木花咲耶姫神天児屋根命火之迦具土神菅原道真公を合祀した。

例祭は4月15日、10月14日。1月中旬にどんと焼きがある。初詣やその際などのおみくじも人気がある。

「いなつひこ」を祀る他の神社としては、池田市宇保町の猪名津彦神社があり、同社は円墳上に鎮座する。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、厄災除け、家内安全
為那都比古神社 大阪府箕面市石丸
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