自然石を安置した井戸の上に本殿、式内「伊波氐別命神社」論社
夷子神社 静岡県伊東市川奈2
[住所]静岡県伊東市川奈2
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夷子神社(えびすじんじゃ)は、静岡県伊東市川奈にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「伊波氐別命神社(伊豆国・賀茂郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

創建や由緒は不詳。御祭神は蛭子命。例祭は1月20日で、往時は二十日恵比寿として賑わったという。

江戸時代初期の寛永6年(1629年)の棟札があり、さらに古いが摩耗して読めなくなっている棟札も2枚あるという。

川奈の漁場の守護神として崇敬された。普通に考えれば、漁村の鎮守である。近くには、姥子神社・川奈三嶋神社もある。

『伊豆国式社考』で、当社を式内比定している。式内社「伊波氐別命神社」は、「いはてわけのみこ」であって、岩と関係する、との見方。

古老の口伝によれば、当社は古くより御神体として自然石が安置され、空井戸に鎮座、その井戸の真上に本殿を構えているという。

もし式内社であれば、もともとは三島大神事代主命)を祀っていたのかもしれない。

伊波氐別命は不詳の神だが、南伊豆町岩殿の諏訪神社が昔は若宮と称されたことから、三島大神との関係を暗示させる。

それが、漁村の発展に伴い、同じえびすでも、水難除け・大漁満足の「えびす」蛭子命になり、式内社としての由緒が失われた、という構図。

この地方では、えびすさんを「おいびさん」「おえべっさん」と呼ぶという。過去の歴史はともかく、今も、岬の突端、海に面して鎮座している。

境内社に、龍宮神社・稲荷神社などがある。

なお、先の諏訪神社の他、式内論社に三島市梅名の右内神社がある。

【ご利益】
水難除け、海上安全、大漁満足、商売繁盛
夷子神社 静岡県伊東市川奈
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