那祖師神社（なそしじんじゃ）は、長崎県対馬市上対馬町豊にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 対馬国 上県郡「大島神社/大嶋神社」「嶋大國魂神社」に比定される式内社（小社）の論社。

創祀年代は不詳。御祭神は素盞嗚尊で、天狭手依比売・五十猛命を合祀する。

式内社である島大國魂神社を合祀したため、あるいは当社そのものが式内論社ともされる。

また、島大國魂神社とともに合祀している若宮神社の三社を併せて、式内社「嶋大國魂神社」との説もある。

式内社「大嶋神社」に関しては、当社は直接の関係はなく、合祀した島大國魂神社がその論社であるともいう。

もう少し詳しく各社と御祭神をまとめると、以下の通り。

豊港口東岬の白水山に奉祀されていた島大國魂神社の御祭神が、素盞鳴尊・天狭手依比売。

もとの那祖師神社としての御祭神が、素盞鳴尊。

当社より東方約1000メートルの海辺に奉祀されていた若宮神社の御祭神が、五十猛命。

もともと古くから、那祖師大明神（もとの当社）・若宮大明神（若宮神社）・島頭大明神（島大國魂神社）などと三社一体で奉斎されていた。

『長崎県の地名』によれば、「古くは島頭大明神は椎根島に鎮座、椎根津彦を祀った地と推定。瀬戸内海から朝鮮に渡る海部の重要な祭祀だった」としている。

当社が、他の二社を合祀した時期などは不明。若宮神社は明治期に村社に列したとする記録がある。

例祭は10月3日。6月3日に夏季例祭がある。

なお、式内社「大嶋神社」の論社は当社合祀の島大國魂神社の他に、豊玉町仁位の和多都美神社、権現島、豊玉町唐洲の元嶋神社がある。

また、式内社「嶋大國魂神社」の論社は当社合祀の島大國魂神社の他に、上県町佐須奈の嶋大國魂御子神社、上県町御嶽の島大國魂神社の神社がある。

【ご利益】
平穏安寧、地域安全、厄災除け

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