天目一箇神を奉斎する祭場、乳の木と夫婦杉、7月に湯立て祭り
[住所]兵庫県多可郡多可町加美区鳥羽735
[電話]0795-32-0515 - 稲荷神社

青玉神社(あおたまじんじゃ)は、兵庫県多可郡多可町加美区鳥羽にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 播磨国 多可郡「天目一神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。当初は、播磨・但馬・丹波の国境にそびえる三国岳の頂上に鎮座し、後、山麓に近い現在地に遷座したという。

御祭神は、天戸間見命と大歳御祖命。天戸間見命は饒速日命の天降りに随伴した32人の防衛の一人。

天津彦根命の子である明立天御影命(天之御影命)の後、ともされるが、天麻比止都禰命、つまり天目一箇神と同神とされる。

『古事記』に登場する天津麻羅とも同神ということになる。

これが式内比定根拠となっている。現社号は、御祭神が御神木に触れたところ、片眼を失明して、青色になったことによるという。

タタラ神でもある天目一箇神の片目の由来を伝えると同時に、明らかに御神木の祟りであり、神も御神木にはかなわない、ということを示す。

現在地の地名である「鳥羽(とりま)」は、当社の祭場(まつりば)が「とりば」となり、「鳥羽」の文字が当てられ、読みもさらに変わったという。

戦国時代の明応2年(1493年)、社殿が焼失したという。江戸時代中期の宝暦11年(1761年)に社殿が造営された記録が残る。

幕末の安政3年(1856年)、社殿が焼失し、その後再度再建された。明治7年(1874年)、村社に列した。

柿葺流造の本殿、檜皮葺切妻造の幣殿、萱葺入母屋造の拝殿をもち、境内にはスギが林立している。

その中の7本の杉は樹齢600年から1000年とされる巨木で、県の天然記念物に指定されている。

さらにその中の最大の杉は、「夫婦めおと大杉」と呼ばれている。地上8メートルの幹の途中から二つに分かれて天に伸び、夫婦円満と縁結びの霊験があるとされる。

また、樹齢1000年という銀杏があり、太い枝のいたるところに大きな乳房に似た変形枝がある。「乳の木」と呼ばれる。

乳の出があまりよくない母親や乳房にかかる悩みのある女性の信仰を得ており、子供の健やかな成長を見守るという。

7月15日に湯立て祭りがある。現在はその日に近い日曜日。境内に正面左右2列に幣を立てて釜を並べる。社殿よりが本釜、下座が添え釜。

本釜は12釜で12ヶ月を表し、集落の区長、宮元など関係者が奉納する。添え釜は、それ以外の病気平癒などの願を立てたい人が奉納する。

湯気を立てている一つ一つの釜に神酒、洗米を少しずつ入れ、榊の枝で湯をかき混ぜ、次に2束の笹で釜の湯をかき回し、左右に3回ずつ湯をはねる。

この湯をかけてもらうと夏負けしない、無病息災のご利益があるとされる。

境内社に、熊野神社・山神社・稲荷神社・愛宕神社がある。

なお、式内社「天目一神社」の論社は他に、西脇市大木町の式内同名神社、多可郡多可町中区糀屋の稲荷神社がある。

【ご利益】
病気平癒、無病息災、夫婦和合、子宝
青玉神社 兵庫県多可郡多可町加美区鳥羽
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