金櫻神社の社有林の鎮護、末社120社の一つ、平安以来の能三番
黒戸奈神社 山梨県甲府市黒平町3
[住所]山梨県甲府市黒平町3
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黒戸奈神社(くろとなじんじゃ)は、山梨県甲府市黒平町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 山梨郡「黒戸奈神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。当地一帯は、甲府市の居住地区の最北部に位置し、山梨・長野県境にある金峰山の南西部にある。

海抜1000-1200メートルの高冷地。笛吹川の支流・荒川上流の御岳昇仙峡と金峰山のほぼ中間地点にある。

金櫻神社から北に直線距離では4キロほど。古くは金櫻神社の神領で、当社も金櫻神社末社百二十社の一社だったという。

荒川の西岸に沿って鎮座する。背後には巨岩を含んだ丘陵がそびえている。

金櫻神社の広大な社有林の鎮護ともされたという。御祭神は、大山祇之命。近世には黒戸明神とも呼ばれた。

本殿内幣束に、江戸時代後期の文化2年(1805年)の銘があり、大山祇命・手置帆負命・彦狭知命・八耳皇子とともに鎮風神鎮火神とある。

『延喜式』神名帳にある「黒戸奈神社」は「くろとな」と読みがあるが、「くろべな」とも読み得、それが黒平と結びつき、論社になった。

黒平は、上黒平と下黒平からなり、上黒平は当社が、下黒平は大山祇神社が鎮守。当社は明治8年(1875年)、村社に列した。

例祭は11月3日。旧暦正月14日小正月の道祖神祭の神事芸能の一つとして「能三番」が舞われる。現在は2月14日。

一説に、平安時代末期の文治元年(1185年)、藤原房秀が都から一族郎党と落ちのびて住み着き、伝えてきた舞だともされる。

太鼓、鼓、笛の囃子方に合わせ、翁、黒木尉、千歳と出て舞いながら取り交わす問答は、めでたい言葉が続き、儀式的な祝言曲である。

なお、式内社「黒戸奈神社」の論社は他に、山梨市牧丘町の当社および式内同名神社、甲府市平瀬町の細草神社、甲府市宝の穴切大神社がある。

【ご利益】
火防、身体壮健、厄災除け、病魔退散
黒戸奈神社 山梨県甲府市黒平町
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