「祓戸ノ九神」祀る岩間温泉の神、室町期の随神門、江戸期の本殿
神部神社 山梨県甲州市塩山上萩原1415
[住所]山梨県甲州市塩山上萩原1415
[電話]-

神部神社(かんべじんじゃ)は、山梨県甲州市塩山上萩原にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 山梨郡「神部神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

貞観2年(860年) の草創と伝えられる。御祭神は伊弉諾尊が黄泉の国から戻って禊祓をした時に化生した「祓戸ノ九神」を祀る。

すなわち、住吉三神・ワタツミ三神を含む、神直日神大直日神八十枉津日神表津少童命中津少童命底津少童命表筒男命中筒男命底筒男命

古くから温泉湧出の霊験があったので、岩間明神とも、湯山明神とも称された。境内には岩間温泉がある。

往古、当地は神戸神社鎮座により神戸荘といわれたという。つまり、当社のことと思われ、もとは神戸神社とも称したことになるか。

東にあるという神部山の山腹に天狗祠があり、当社の山宮だったという。本地仏の十一面観音菩薩が祀られ、明治の神仏分離令の影響もなく、今日に伝わっている。

随神門は、戦国時代の元亀2年(1571年)の建立で、室町時代後期の特徴を色濃く残す。本殿も江戸時代前期の寛永21年(1644年)の建立であって、古い。

本殿は昭和48年(1973年)に改体修理が行われ、附りの金銅十一面観音菩薩像一躯、棟札3枚とともに県の文化財に指定されている。

随神門は、平成24年(2012年)に解体復元工事が竣工しており、やはり県の文化財に指定されている。例祭は3月30日。

なお、式内社「神部神社」の論社は他に、山梨市の当社および式内同名神社、笛吹市春日居町の賀茂春日神社がある。

また、山梨郡の巨麻郡にも「神部神社」があり、北杜市南アルプス市下宮地南アルプス市寺部の当社および式内同名神社、北杜市の熱那神社白山神社、韮崎市の南宮大神社が論社。

【ご利益】
身体壮健、病気平癒、健康長寿
神部神社 山梨県甲州市塩山上萩原
【関連記事】
山梨県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、山梨県に鎮座している神社の一覧