若宮・神明・勝手の三明神を祀る式内論社、鶏卵のタブーと蔦
鳥坂神社 三重県伊賀市甲野1427
[住所]三重県伊賀市甲野1427
[電話]0595-46-1523

鳥坂神社(とりさかじんじゃ)は、三重県伊賀市甲野にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 伊賀国 山田郡「鳥坂神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。御祭神は、武内宿禰(若宮)・大日孁貴命(神明)・愛鬘命(勝手)。大日孁貴命が当地の産土神で、武内宿禰が村民の祖神。

愛鬘命は勝手明神と呼ばれ、勧請年代は不詳だが、近江国三津村源三郎の祖先が当地を開拓した時に、当社の相殿に祀ったという。

現在の滋賀県彦根市三津町に勝鳥神社がある。神紋は鶏で、明治の改称とはいえ、当社と同様、「鳥」を社名に持つ。

御祭神は天稚彦命で、その社伝によれば、天稚彦命が死んだ時に、その妻である下照姫命の兄、つまり阿遅鉏高日子根神が三津に葬り、勝鳥石を立てたという。

ともかく、当社はもともと現在地の東約2キロの鳥坂山の麓に鎮座していたという。古くは「沢田明神」と称したという。

安土桃山時代の天正9年(1581年)、織田信長勢の伊賀攻により、兵火で焼失。そのため、現在地に遷座した。以降、「鳥坂明神」と称した。

古来、当社の氏子は鶏卵を食べないという。神紋は蔦で、先の愛鬘命とも関連し、またやはり「鳥」である。

式内社「鳥坂神社」の論社は複数ある。中でも、平田と出後に当社および式内同名神社があった。明治期には出後の神社が式内比定された。

しかし、平田も出後も相次いで、現在の植木神社に合祀された。他の論社に、島ヶ原の鸕宮神社があるが、その鎮座地は阿拝郡となり、否定的な見解も多い。

明治4年(1871年)、村社に列し、下記の神社を合祀した。

水神社(彌都波能売命)・津島神社(健速須佐之男命)・彌五郎殿(彌五郎)・山神社(大山祇神大山咋神)・冨士社(木花咲耶姫命)・若一神社(速玉之男命)。

例祭は4月15日。

【ご利益】
開運招福、事業成功、諸願成就
鳥坂神社 三重県伊賀市甲野
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