玉作連の祖神、長髄彦・饒速日命とも、広瀬郡式内との関係は?
[住所]奈良県高市郡明日香村真弓51
[電話]0744-54-2071 - 飛鳥坐神社

櫛玉命神社(くしたまのみことじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村真弓にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「櫛玉命神社四座(大和国・高市郡)」に比定される式内社(大社、月次新嘗)。

真弓集落南の小高い平地に鎮座。真弓崗のマルコ山古墳の東方下手にあたる。御祭神は櫛玉彦命・櫛玉姫命・天明玉命・豊玉命。

天明玉命・豊玉命は玉祖命のことで、玉作連、玉祖連の遠祖。櫛玉彦命・櫛玉姫命もその系譜に連なるものだろう。

一説に、第14代仲哀天皇の御代、櫛玉彦命(櫛玉命)の後裔である荒木命に巨勢の地三十代を賜って、祖神を祀らしめたという。

荒木命は、祖神が高皇産霊神で、その後に櫛玉彦命、天明玉命と続く玉造連の祖とされる。

櫛玉は奇霊の意ともされるが、一方で、櫛玉彦命は饒速日命ともされる。廣瀬大社の相殿神は櫛玉命で、これは饒速日命のこと。

あるいは長髄彦のことを指すのかもしれない。どちらにしろ、そうであれば、櫛玉姫命は登美夜須毘売に相当することになる。

伊予国風早郡には、国津比古命神社櫛玉比売命神社という夫婦神の式内社がある。大和国にも広瀬郡に櫛玉比女命神社がある。

とすれば、当社は広瀬郡の櫛玉比女命神社と対になる、伊予国の国津比古命神社に相当する社ともいえる。

『類聚三代格』貞観10年(868年)6月28日の「太政官符」では、飛鳥坐神社の裔神と考えられている。

『日本三代実録』天安3年(859年)1月27日の条では、従五位下から従五位上を授けられた。

近世には八幡社と称したが、 明治になり、社名と御祭神を変更した。境内社に、牛頭天王社・若宮社などがある。

例祭は10月9日。8月31日におひまち祭りがある。

【ご利益】
事業成功、産業振興、一族・子孫繁栄
櫛玉命神社 奈良県高市郡明日香真弓
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