近辺「鏡作」の元宮? 石見遺跡の特殊性、地名「石見」は移住か
鏡作神社 奈良県磯城郡三宅町石見650
[住所]奈良県磯城郡三宅町石見650
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鏡作神社(かがみつくりじんじゃ)は、奈良県磯城郡三宅町石見にある神社。石見鏡作神社とも。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「鏡作坐天照御魂神社(大和国・城下郡)」に比定される式内社(大社、月次新嘗)の論社。近代社格では村社。

創建年代は不詳。由緒もあまり伝わらない。御祭神は石凝姥命とされる。近辺に点在する「鏡作」を冠する神社の元宮とみる向きもある。

当社から見ると、冬至の日に、三輪山頂上から朝日が出、夕日は二上山鞍部に沈むという。真南に多神社が鎮座し、その先には畝傍山がある。

南方に石見遺跡が発見されており、径30メートル程度の円形の周囲に、様々な埴輪を並べ、さらに木製品を立てて、その周囲に幅6メートルの堀を巡らしている。

極めて特異な祭祀遺跡ではないかと推定されている。

当社が、同じく式内論社である八尾の鏡作坐天照御魂神社に遷座したものとの説がある。逆の可能性もある。当社も三本殿とされ、御祭神は3柱でなくてはおかしいとも指摘される。

その場合、鏡作坐天照御魂神社と同様、御祭神は火明命、石凝姥命、天糠戸命の3柱とも考えられる。

また、地名の「石見」は石見国を連想させる。石見国から移住してきた人々であれば、ゆかりの深い五十猛命や、物部氏の祖神である宇間志麻遅命を奉斎したはずとも。

石見国一宮は宇摩志麻遅命を御祭神とする物部神社。石見国は五十猛命の上陸地ともされている。

金属を中心とした技術者集団である物部氏と、鏡作りも相性がいい。保津宮古に鏡作伊多神社があるが、当社を起点として直線に鎮座しているのも特徴。

また、小阪には鏡作麻気神社がある。

荒廃していたのを、昭和48年(1973年)に境内が整備され、社前の鳥居と周囲を整え、境内を画する石玉垣を構え、築地を復元して、神域の面目を一新した。

現在は、例祭は10月第2土曜日。八尾の鏡作坐天照御魂神社の末社とも、兼務神社とも。

【ご利益】
事業成功、諸願成就
鏡作神社 奈良県磯城郡三宅町石見
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