大和・伊賀の要衝「畿内堺十処疫神」、江戸期本殿、10月天王祭り
[住所]奈良県山辺郡山添村中峯山310-1
[電話]0743-85-1611

神波多神社(かんはたじんじゃ)は、奈良県山辺郡山添村中峯山にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「神波多神社(大和国・添上郡)」に比定される式内社(小社、鍬)。近代社格では県社。

創建年代は不詳。『延喜式』臨時祭に畿内堺10ヶ所に祀られた疫神「畿内堺十処疫神」のうち、「大和与伊賀堺」に祀られた疫神とされる。

そのため、古くからの牛頭天王社で、「波多の天王」「畑の天王」と呼ばれた。

伝承によれば、当社に近い名張川に釜渕という場所があり、そこに釜石が岩がある。

川の水量が少ない時に、下部に穴が見える。その穴から、御祭神である牛頭天王が出現したという。

また、当社の東南250メートルに舟岩と呼ぶ岩があり、牛頭天王が新羅から乗ってきた船だとされる。

実際、本殿西方からは平安期の古鏡が出土し、鎌倉時代末期の正和元年(1312年)の銘を刻む石灯篭がある。石灯篭は村指定文化財。

大和と伊賀をつなぐ交通の要衝であり、大和・伊賀・山城など広くにわたり崇敬者が多く、古くから信仰を集めていた。

安土桃山時代の天正9年(1581年)、織田信長の伊賀攻めの際に兵火に遭ったと伝えられ、その際に縁起などの資料も焼失したという。

御祭神は、素盞嗚尊の他、春日大神・櫛稲田姫命を祀る。

江戸時代前期の建立と推定される本殿は、県指定文化財。建立以来一度も根本的な解体修理がなかった。

そこで、保存のため平成6年(1994年)から翌年にかけ初めての解体修理が行われ、創建当時の姿に戻った。

例祭は10月15日、10月第4土曜日に天王祭りが行われ、みこしのお渡りが御旅所「牛の宮」まで練り歩き、獅子神楽なども行われ、多くの人々で賑わう。

御旅所「牛の宮」では櫛稲田姫命の父母である手摩槌命脚摩槌命が祀られている。祇園祭が旧暦6月13日にある。

境内社に、八柱神社・六柱神社・熊野社・稲荷社・佐田社・住吉明神などがある。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、開運招福
神波多神社 奈良県山辺郡山添村中峯山
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