綱掛祭「カンジョウナワ」が有名な日本一長い社名、中世には八幡
[住所]奈良県高市郡明日香村大字稲淵字宮山698
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飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社(あすかのかわかみにますうすたきひめのみことじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村稲淵宮山にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。
「日本一長い名前の神社」とされている。『延喜式神名帳』にある「飛鳥川上坐宇須多伎比賣命神社(大和国・高市郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社。
創建年代は不詳。『類聚三代格』に、平安時代の貞観16年(874年)6月28日、太政官符にあるとあり、これ以前の創建となる。
御祭神は宇須多伎比売命。白瀧姫、つまり下照姫命とも。宗像神、特に大国主命の妃神である多紀理毘売命とも。前後者は母子関係となる。
前者だと飛鳥坐神社の裔神、あるいは妹神、後者だと飛鳥坐神社や加夜奈留美命神社の母神となる。
当社東方の大字畑には「ウスタケ」の小字が残る。また、鎮座地の稲淵は、皇極天皇が雨乞いをした南淵の河上で、当社北方に南淵山があるという。
本殿はなく、拝殿は「遥拝造」で後ろにも扉がある。裏にも門があり、後方の山を拝する形。御神体は後方の山であり、三輪山などと同様、山岳信仰の形態である。
中世以降に衰微し、戦国時代の天文22年(1553年)の銘文には宇佐八幡宮とあるように、八幡神を祀る社と考えられた。拝殿両脇の石灯籠にも「八幡宮」とある。
現在は、中央に宇須多伎比売命、右に神功皇后、左に応神天皇を配祀している。拝殿左右に境内社があるが、それも、仁徳天皇社・武内社・明治天皇社。
この仁徳天皇社は、大仁保神社を遷座したものとされる。『日本三代実録』に大仁保神と記載されている国史見在社という説がある。
大仁保神社は、高市郡高取町丹生谷と明日香村入谷に同名の神社旧跡が二つある。いずれも当社に合祀されたともされる。当社では入谷のみ合祀とする。
丹生谷の方は、丹生都姫祭文にある巨勢丹生であるとも。
仁徳天皇社は、明治43年(1910年)、いずれも無格社の、稲淵字松尾鎮座と畑字トヤマ鎮座の談山神社、畑字ヲヲカカ鎮座の富士神社を合祀した。
当社の例祭は10月10日。1月11日に行われる綱掛祭で知られる。川に「カンジョウナワ」と呼ばれる綱を掛け悪霊の侵入を防ぐ、カンジョウカケという神事。
稲淵の集落の下には男綱を、栢森の集落の下には女綱を掛け渡す。これは栢森のさらに上流にある女淵と、さらに上流にある男淵の竜神を象徴する。
栢森や阪田に伝えられる葛神社(加夜奈留美命神社)は、九頭竜すなわち竜神をまつる神社で、稲淵に伝わる当社は川の女神を祀るものだったとされる。
なお、当社は河瀬直美監督の映画『朱花の月』のロケ地としても知られている。
【ご利益】
子宝・安産、子育て、良縁・縁結び

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飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社(あすかのかわかみにますうすたきひめのみことじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村稲淵宮山にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。
「日本一長い名前の神社」とされている。『延喜式神名帳』にある「飛鳥川上坐宇須多伎比賣命神社(大和国・高市郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社。
創建年代は不詳。『類聚三代格』に、平安時代の貞観16年(874年)6月28日、太政官符にあるとあり、これ以前の創建となる。
御祭神は宇須多伎比売命。白瀧姫、つまり下照姫命とも。宗像神、特に大国主命の妃神である多紀理毘売命とも。前後者は母子関係となる。
前者だと飛鳥坐神社の裔神、あるいは妹神、後者だと飛鳥坐神社や加夜奈留美命神社の母神となる。
当社東方の大字畑には「ウスタケ」の小字が残る。また、鎮座地の稲淵は、皇極天皇が雨乞いをした南淵の河上で、当社北方に南淵山があるという。
本殿はなく、拝殿は「遥拝造」で後ろにも扉がある。裏にも門があり、後方の山を拝する形。御神体は後方の山であり、三輪山などと同様、山岳信仰の形態である。
中世以降に衰微し、戦国時代の天文22年(1553年)の銘文には宇佐八幡宮とあるように、八幡神を祀る社と考えられた。拝殿両脇の石灯籠にも「八幡宮」とある。
現在は、中央に宇須多伎比売命、右に神功皇后、左に応神天皇を配祀している。拝殿左右に境内社があるが、それも、仁徳天皇社・武内社・明治天皇社。
この仁徳天皇社は、大仁保神社を遷座したものとされる。『日本三代実録』に大仁保神と記載されている国史見在社という説がある。
大仁保神社は、高市郡高取町丹生谷と明日香村入谷に同名の神社旧跡が二つある。いずれも当社に合祀されたともされる。当社では入谷のみ合祀とする。
丹生谷の方は、丹生都姫祭文にある巨勢丹生であるとも。
仁徳天皇社は、明治43年(1910年)、いずれも無格社の、稲淵字松尾鎮座と畑字トヤマ鎮座の談山神社、畑字ヲヲカカ鎮座の富士神社を合祀した。
当社の例祭は10月10日。1月11日に行われる綱掛祭で知られる。川に「カンジョウナワ」と呼ばれる綱を掛け悪霊の侵入を防ぐ、カンジョウカケという神事。
稲淵の集落の下には男綱を、栢森の集落の下には女綱を掛け渡す。これは栢森のさらに上流にある女淵と、さらに上流にある男淵の竜神を象徴する。
栢森や阪田に伝えられる葛神社(加夜奈留美命神社)は、九頭竜すなわち竜神をまつる神社で、稲淵に伝わる当社は川の女神を祀るものだったとされる。
なお、当社は河瀬直美監督の映画『朱花の月』のロケ地としても知られている。
【ご利益】
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