海神を祀る社、浦上大明神、地名に残るほどの往時は多数の神田
海神社 和歌山県紀の川市神領272
[住所]和歌山県紀の川市神領272
[電話]0736-77-3928

海神社(うながみのやしろ/かいじんじゃ)は、和歌山県紀の川市神領にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 紀伊国 那賀郡「海神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

通称「海神さん」の名で親しまれている。第11代垂仁天皇の御代、忌部宿禰が神託によって創建したと伝わる。

主祭神は豊玉彦命・国津姫命。豊玉彦命は当初、牟婁郡大田荘浦神村の塩釜六社明神の地に鎮座していたという。また、国津姫命は和泉の海中に出現したという。

国津姫命は和泉からこの地に向かう途中、現在の市内神通の地にも立ち寄り、その地には今、浦上神社が鎮座する。

『日本三代実録』仁和元年(885年)11月19日の条に浦上国津姫神が従五位下に叙されている。以降も浦上大明神と称された。

他に、『本国神名帳』『南紀神社録』『紀伊国名所図絵』『紀伊続風土記』などにも記載されている。

読みは、『延喜式』神名帳に「アマノ」とある。「海神」が「浦上」に転化したとも、あるいはその逆とも。

往古から朝廷の崇敬が篤く、神田も多く領有していた。鎮座地の「神領」もそのまま、当社の領地を示す名称が現在までに残る。

しかし、安土桃山時代の天正13年(1585年)、豊臣秀吉による紀州遠征で、本殿2社・供殿・拝殿・神楽殿・宝蔵などことごとく兵火に罹り、宝物、古記録などを焼失。

明治6年(1873年)4月、郷社に列し、昭和17年(1942年)9月には県社に昇格した。

現在までに、穂高見命豊玉姫命玉依姫命事代主命を配祀する。境内社に、稲荷社・幸神社・皇大神宮がある。

例祭は10月15日。現在は10月第3日曜日。青年たちによる勇壮な「駆け馬」「奉納相撲」などの行事で知られていた。

近年、駆け馬の行事は廃れ、そのかわりとして、本神興や樽神輿、可愛い稚児のお渡り、お餅投げなどが行われているという。

平成23年(2011年)12月、拝殿に縦110センチ、横180センチの大絵馬が掲げられた。市内在住の日本画家、満田彗峰による奉納。

【ご利益】
水難除け、海上安全、大漁満足
海神社 和歌山県紀の川市神領
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