弘法大師が修業し創建、女峰山を遥拝、子宝などパワースポット
[住所]栃木県日光市山内
[電話]0288-54-0535 - 二荒山神社

瀧尾神社(たきのおじんじゃ)は、栃木県日光市山内にある神社。日光の二荒山神社別宮の一つ。世界文化遺産「日光の社寺」の一つ、二荒山神社に含まれるため、当社も世界遺産ということになる。

神橋から稲荷川沿いの狭い道を2キロ近く上った場所にある。境内入口には、天狗沢にかかる高さ10メートルほどの白糸の滝がある。

室町時代の『廻国雑記』にも、「世々を経て 結ぶ契りの 末なれや この滝尾の たきの白糸」とみえる。

平安時代の弘仁11年(820年)、弘法大師空海により、修行した当地に創建された。

御神体山である標高2483メートルの女峰山を遥拝する神社で、その女神である田心姫命を祀る。

以前は、「女体中宮」と称され、本宮・新宮とあせて、日光三社と呼ばれた。

現在の本殿は正保3年(1646年)の建立で、国の重要文化財に指定されている。

明治4年(1871年)の神仏分離までは、楼門に弘法大師の筆といわれる「女体 中宮」の額が掲げられ、仁王像が安置されていたという。

社殿後方に、女峰山を遥拝する三本杉がある。右のものは元禄12年(1699年)に、中央が延享4年(1747年)に、左が寛延2年(1749年)に、それぞれ倒れ、現在のものは樹齢300年ほど。

参道の石段を上ると、額束に穴の空いた、運試しの鳥居がある。その穴に、小石を三つ投げ、いくつ通過したかで運を試すという。

参道の右には、影向石(ようごういし)がある。弘法大師が修業中に、奥の大岩のあたりに、美しい女神が現れたという。

境内の左手奥には、子種石があり、安産に霊験があるという。名称からは子宝の方かもしれないが。子宝・安産ということなのだろう。

楼門の横には、願を込めると縁が結ばれるといわれる「縁結びの笹」がある。

本殿の左奥に、「酒の泉」と呼ばれる湧き水がある。弘法大師がこの泉の水を奉納したという。酒のような味がすることから、酒造関係者の信仰を得ている。

なお、本宮神社の旧地の一つである小玉堂は、当社の池で修業中の弘法大師が大小二つの白玉を得たことで奉斎されたものだが、この「酒の泉」のことか。

社殿の後方には無念橋がある。俗称は願い橋。三本杉を通して、女峰山を遥拝するための禊の橋だった。

しかし、いつの頃からか、自分の歳の歩数で渡ると、女峰山山頂奥宮まで登ったことになり、願いが叶うといわれるようになった。

以上のように、弘法大師の修業を助けたともいえる女神を祀るからか、女性向けのものが多いのもあって、現在では日光のパワースポットとして人気が高い。

境内社の滝尾稲荷神社は、弘法大師により当社とともに創建された。昔、滝尾上人がお供えを忘れた時、稲荷の神が化けて出て、催促したと伝わる。

瀧尾高徳水神社は、昭和52年(1977年)、丹生川上神社の御分霊を勧請し、高徳に創建されたが、県道拡幅のため、平成10年(1998年)に遷座されたもの。開運の神として崇敬されている。

4月17日の二荒山神社の弥生祭の時、 三社の神輿がここに渡御する。

社務所などはなく、当社の御朱印は、本社の二荒山神社で頂くことができる。「日光の聖地」などとある。

【ご利益】
子宝・安産、良縁・縁結び、開運招福、酒造
瀧尾神社 栃木県日光市山内
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