式内二座の一座、近世は「府都大明神」、境内に延命水という霊水
[住所]大阪府八尾市弓削町1-36
[電話]072-949-1623

弓削神社(ゆげじんじゃ)は、大阪府八尾市弓削町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 河内国 若江郡「弓削神社二座(河内国・若江郡)」の一座に比定される式内社(大社、月次相嘗新嘗)。近代社格では村社。

八尾には、JR志紀駅・長瀬川を挟んで同名の神社が二つあり、東側の東弓削1丁目にある同名神社と、西側の弓削町1丁目にある当社で、二社一対の二座とする。

双方とも、付近に勢力を保持していた物部氏の一族である弓削氏の氏神で、平安時代初期に創建されたとされる。

当地一帯は、奈良時代の著名な高僧道鏡の出身地ではあるが、当社の創建は道鏡の没後のことであり、直接関わりはない。

ただ、称徳天皇が道鏡の故郷である当地に建てた由義宮の伝承地として、市内都塚に都留美島神社と、八尾木北に由義神社がある。

鎮座地は、弓削町の当社が旧河内国志紀郡、東弓削が旧河内国若江郡にあたる。『延喜式神名帳』の記載では、当社ではなく、東弓削の方が合致することになる。

かつて東西の社殿の間に久宝寺川(旧大和川)が流れていた。度重なる水害で幾度も流失の被害に遭った。その関係で遷座を繰り返した、あるいは二つに分かれたなどともされる。

川を挟んで二座の弓削神社が鎮座する形式は、当社以外にも久留米市の弓削神社(筑後川)、熊本市の弓削神社上弓削神社(白川)などがあるが、関連は不明。

当社の御祭神は、宇麻志麻治命饒速日命天照大神。例祭は10月8日・9日で、7月30日・31日に夏祭りが行われ、ふとん太鼓が出る。

東弓削の同名神社同様、物部氏の祖神である彌加布都神(みかふつのかみ)・比古左自布都神(ひこさじふつ)、つまり、香取神宮御祭神の経津主神を御祭神とするという説もある。

中世以降の事情は不詳だが、近世には「府都大明神」「牛頭天王社」と称していたという。「牛頭天王社」を感じさせる御祭神は現在祀られていないが。

明治5年(1872年)、村社に列し、大正3年(1914年)には幣帛供進社に指定された。この時、八尾市二俣に鎮座の天照大神を合祀したという。

境内社に、菅原神社・稲荷猿田彦神社・琴平神社がある。

また、境内に延命水と呼ばれる井戸がある。旱魃の時もかれたことがないと伝わる。この霊水を口にすると長寿を保つという。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、健康長寿
弓削神社 大阪府八尾市弓削町
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弓削神社 大阪府八尾市弓削町の御朱印