治道・竜田道、高瀬川南岸に鎮座、櫟比氏の祖神、横田物部も
和爾下神社 奈良県大和郡山市横田町字治道
[住所]奈良県大和郡山市横田町字治道
[電話]0743-55-1100 - 柳澤神社

和爾下神社(わにしたじんじゃ)は、奈良県大和郡山市横田町治道にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「和尓下神社二座(大和国・添上郡)」の一座に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

奈良盆地の中央を東西に結ぶ、竜田・斑鳩方面から伊賀に通ずる古代の要路で治道とも呼ばれる竜田道に面し、高瀬川の南岸に鎮座する。近世までは添上郡に属していた。

創建年代は不詳。本来は、和爾(和珥)・小野・柿本と同族の櫟比氏の祖神である天帯彦国押人命を奉斎したとも。

高橋川(高瀬川)と、和爾町より西流する和爾川(和珥川)が合流する地で、北隣に横田下池があり、下池遺跡として知られ、弥生時代の遺物が出土している。

古くから横田郷の郷社で、古代和邇氏の勢力圏と関連する京都府相楽郡精華町まで氏子が拡がっていたという。

一方で、「横田物部の円墳の丘に和爾下の御社を安置した」との口碑が残る。当地は横田物部氏の拠点でもある。

和爾氏と物部氏の入れ替わりの時期がいつなのか、5世紀には和爾氏が強盛であり、上述の口碑が6世紀とされている。

現在の御祭神は、素戔嗚命大己貴命稲田姫命・横田物部命。

『大和志』添上郡紳廟に「和邇下神社二座 一座在櫟本村 号曰上治道ノ天王 近隣五村共ニ預祭祀、一座ハ在横田村 号曰下治道天王 十一村共預祭祀」とある。

当社東方約2.5キロの天理市櫟本町にも同名神社があり、式内一座の一つ。それが上治道宮と呼ばれるのに対して、下治道宮・下治道天王とも称する。

両者とも、氏が違えど、その遠祖である天帯彦国押人命は共通しており、さらに御祭神が変わった、その主要メンバーも共通で、牛頭天王系となっていることが興味深い。

本殿は流造二間社銅板葺。例祭は9月13日、7月7日が夏祭で祇園祭。

境内社に、春日大明神、天照皇大神、金比羅神社、春日若宮神社、八幡神社、住吉神社、白山神社、金山彦神社・厳島神社、諏訪神社、恵美須神社、貴船神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、技芸・スポーツ向上
和爾下神社 奈良県大和郡山市横田町治道
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