金峰山を御神体とする里宮、平安期創建、神鏡や打ちはやし、御幸
金櫻神社 山梨県山梨市牧丘町杣口2919
[住所]山梨県山梨市牧丘町杣口2919
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金櫻神社(かなざくらじんじゃ)は、山梨県山梨市牧丘町杣口にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 山梨郡「金桜神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

大字杣口にあり、地名を小倉山米沢という。金峰山を御神体と仰ぐ、金峰山の里宮であり、古くは大社だったという。

御祭神は大国主命少彦名命。蔵王権現および小守勝手の両祠を併祀する。

社記によると、平安時代の仁寿3年(853年)3月、天台宗智証大師により大和国から勧請した鎮守社だという。

旧社地は高原といい、金峰山東登山道の御料林内にあり、往古の石積や礎石、古代文字を刻む石碑などが残されている。町指定の史跡。

延喜年間(901年-923年)、「金櫻神社」という醍醐天皇御親筆の額面の下賜があって、以来、現社号になったと伝わる。

平安時代以降は山岳信仰と密教の修験道場の聖地とされ、『甲斐国志』に「此所ヨリ南方富士路黒駒ニ達スルヲ道者海道ト云フ」とある。

現在の社地は、江戸時代中期の正徳2年(1712年)に遷座したもの。その当時は、「藏王権現」と称されたという。

御神体の神鏡は青銅製で、直径35.4センチの円形であり、右手右足を上げ左手に印を結び山岳信仰の厳しさを表すもの。町の文化財に指定されている。

本殿は一間社唐破風付向拝で、屋根は銅板葺入母屋造りであり、箱棟に千木をのせる。身舎は円柱にて前部と後部に分かれ、正面に開扉がある。

高欄付縁を四方にめぐらし、木造彫刻の狗犬は古く、その伝説が残されている。

例祭は4月11日。神輿番は宮本の杣口・大室・山本、城古寺・請地、隼、窪平・替地・堀ノ内・琴川、千野々宮の五地区に分かれている。

その際に行われる杣口の打ちはやしは、上杣口・下杣口の二座があり、5年に一度の宮本当番の時、交互に行われる。

打ちはやしの起源は明らかではないが、麻カミシモの装束を江戸時代中期の寛延2年(1748年)に新調しており、少なくともそれ以前からの伝統ということになる。

町指定の文化財で、祭礼は隼の地蔵尊まで末社21社、行程28キロを御幸する、この地方最大の祭りになっている。

なお、式内社「金桜神社」の論社は他に、甲府市御岳町と、山梨市内の歌田万力に同名の神社がある。いずれも金峰山の里宮で、式内社は金峰山山頂の本宮の可能性がある。

【ご利益】
病気平癒、身体壮健
金櫻神社 山梨県山梨市牧丘町杣口
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