葛城山の登山口、風雨祈願、平安前期作ともされる御神像二体が重文
[住所]奈良県御所市櫛羅字大湊2428
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鴨山口神社(かもやまぐちじんじゃ)は、奈良県御所市櫛羅大湊にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「鴨山口神社(大和国・葛上郡)」に比定される式内社(大社、月次新嘗)。近代社格では村社。

創建年代は不詳。主祭神は大山祇命。もとは西北方の俗称岸ノ山(岸野山)に鎮座していた。

いずれかの時期に天災で山崩れが起き、現在地に遷座したという。葛城山の入り口に鎮座し、山の神に、水と風の恵みを祈ったという。

『日本三代実録』によれば、天安3年(859年)1月に正五位に叙され、貞観元年(859年)9月8日には風雨を祈るため奉幣されている。

大和国の式内社で山口の社名を有する14の神社、いわゆる大和国十四所山口神社の一つとして崇敬された。

神名帳の他に、『延喜式』巻3「臨時祭」祈雨神祭条に「賀茂山口社一座」とあり、祈雨神祭85座に含まれる。

『大和志』には、「在倶戸羅村高鴨山、松樹一株樹下有小祠、土人云樹頭時見聖灯」とある。

例祭は7月16日が夏季例大祭、10月の体育の日の前日が秋季例大祭。本殿は、8尺に7尺の春日造、桧皮葺で、拝殿は5間に2間の瓦葺。

相殿神は大日霊貴命・御霊大神・天御中尊。そのうち、木造の大日霊貴命坐像と御霊大神坐像が伝わり、本殿に安置されている。像高は、それぞれ56センチと50センチ。

境内案内では平安時代(藤原時代)初期ともされるが、一般には室町時代の作とされ、一木造彩色像で、国の重要文化財に指定されている。

境内社に、春日神社(天児屋根命)・天照皇大宮(天照皇大御神)・桜木社(稲荷社。倉稲魂命)・天満神社(菅原道真)・椿山神社(宇迦之御魂神)・金刀比羅神社(大物主命)・八幡神社(誉田別命)などがある。

他に、神武天皇と明治天皇の遥拝所がある。なお、山城国 愛宕郡の式内社に「賀茂山口神社」がある。

【ご利益】
祈雨・天候、五穀豊穣、地域安全
鴨山口神社 奈良県御所市櫛羅大湊
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