神武帝決戦の古地、用明帝の宮跡、近世は双槻神社で材木業界の守護神
[住所]奈良県桜井市谷502
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石寸山口神社(いわれやまぐちじんじゃ)は、奈良県桜井市谷にある神社。阿倍山丘陵の北の端に位置し、社殿の前には菰池と呼ばれる小さなため池がある。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「石寸山口神社(大和国・十市郡)」に比定される式内社(大社、月次新嘗)の論社。

創建年代は不詳。もともとは、現在より少し南のコモ山(磐余山)に鎮座したとされる。現社地への遷座の時期は不明。

御祭神は大山祇神。磐余の大地を守護する山の神・水の神として奉斎されたという。

近辺は、初代神武天皇の東遷における、長髄彦が決戦した故地だとも伝わる。

第31代用明天皇磐余池辺雙槻宮(いわれいけべのなみつきのみや)の跡地だとする説もある。

奈良時代の天平2年(730年)、『大倭国大税帳』に石村山ロ神戸とある。

また、平安時代の大同元年(806年)、『新抄格勅符抄』に石村神二戸とあり、『日本三代実録』貞観元年(859年)に正五位下に進んだ。

大和国の式内社で山口の社名を有する14の神社、いわゆる大和国十四所山口神社の一つとして崇敬された。

神名帳の他に、『延喜式』巻3「臨時祭」祈雨神祭条に「石村山口社一座」とあり、祈雨神祭85座に含まれる。大和六所山口神社の一つとして崇敬された。

ただし、当社地近辺には山と呼べるものがなく、式内の山口神社としては厳しい、との意見も多い。

式内社「石寸山口神社」の論社は他に、市内高田に山口神社がある。

『大和志』には双槻神社(なみつきじんじゃ)と呼ばれていたとも記載されている。木材業界繁栄の守護神として尊崇されたという。

例祭は4月12日。

【ご利益】
材木業界の繁栄、水の神
石寸山口神社 奈良県桜井市谷
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