春日大社の境外末社、中秋の名月の日の采女祭で行列や管絃舟の航行
[住所]奈良県奈良市樽井町
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采女神社(うねめじんじゃ)は、奈良県奈良市樽井町にある神社。春日大社の境外末社で、猿沢池の北西に鎮座する。西向きの社殿。御朱印の有無は不明。

『元要記』によると、平安時代の弘仁年間(810年-824年)、興福寺南円堂鎮檀の時、人夫のなかの青衣の女人が池の方に逃げ去って行方不明になった。

そこで、藤原久嗣の八男良世が西向きの社を建立、興福寺興南院の快祐が勧請したと伝える。

御祭神は事代主命とされるが、采女命とも。采女祭との関連で考えれば、入水つながりかもしれないが、やはり采女命だろう。

つまり、天皇に仕える官女である采女を祀ったもの。

例祭は中秋の名月の日で、采女祭。奈良時代に天皇の寵愛を受けた采女が、天皇の関心が薄れたことを悲観し、猿沢池に入水した霊を慰めるために始まったもの。

当社の創建よりも祭りの方が先。創建伝承の「青衣の女人」はもちろん采女の霊を指すのだろう。

当社の創建は、祭りとともに、社殿を建立せよ、という神託と考えられたものか。

采女祭は、宵宮祭・花扇奉納行列・花扇奉納神事・管絃の船の儀とに大別される。

花扇奉納行列では、花扇を乗せた車、稚児、花扇使が乗る御所車などの隊列がJR奈良駅を出発し、三条通り・餅飯殿通りなどを経て猿沢池ほとりの当社までを練り歩く。

管絃船の儀では、猿沢池において、2隻の管絃舟(龍頭・鷁首)が猿沢池を2周めぐり、花扇が池に投じられ祭りは終了する。

福島県郡山市とは古くから交流があり、郡山市にも采女伝説が残っているため郡山うねめまつりが行われており、郡山市の「ミスうねめ」も采女祭に参加している。

なお、この祭りの当日、池水に手足を浸すとしもやけにならない、といわれている。

【ご利益】
諸願成就
采女神社 奈良県奈良市樽井町
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