境内や村中に多数の磐座、御神体の岩の上に本殿で式内社名に合致?
六所神社 奈良県山辺郡山添村峯寺字氏神山257
[住所]奈良県山辺郡山添村峯寺字氏神山257
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六所神社(ろくしょじんじゃ)は、奈良県山辺郡山添村峯寺氏神山にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「天乃石吸神社(大和国・添上郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

山添村はかつて磐座サミットが開かれた。村中の山々や神社の境内に巨岩が目立つ。当社はその代表格。峰寺集落の丘尾に鎮座、朱色の本殿。小さくまとまった鎮守。

創建年代は不詳。主祭神は大山祇神で、六所明神を併せて祀る。

六所明神は、饒速日命天忍穂耳命天津彦根命天穂日命熊野忍踏命・熊野忍隅命。

熊野忍踏命と熊野忍隅命は実質同神であり、五男三女神の五男神と、饒速日命という形、ではない。活津彦根命が不足している。

饒速日命は天忍穂耳命の子とはされるが、五男神(のような形)と奉斎される形態も珍しいか。

乗光寺が別当だったという。明治になり、峰寺増益六柱神社と称したが、「祭神不詳」「由緒無之」とされた。

昭和になって、古記・神鏡・懸佛などが発見され、現社号を称するようになった。例祭は10月14日。

口碑によれば、もともとは御神体である岩の上に、後世、本殿が造営されたといい、本来は社殿を持たず、巨石のみを祀る形態だったかもしれない。

式内社の論拠は、本殿が御神体の花崗岩の巨石の上に設置されており、石の上に据えられていることから、「石スエ」=「石吸」になったという。

御神体の他、本殿背後の山の斜面にも多くの岩・磐があり、単なる語呂合わせでもない側面もある。

式内社「天乃石吸神社」の他の論社には、奈良市大柳生町に鎮座する夜支布山口神社の境内社になっている立磐神社がある。

「天乃石吸神社」は、中世に同じく式内社の赤穂神社御前原石立命神社嶋田神社とともに春日山中に勧請され、春日大社境内末社の紀伊神社四柱として祀られた。

境内社として、本殿の左手に、四つの小さな祠があり、杵築神社・宗像神社・水神社・恵比須神社。その横に、金毘羅大神の石碑がある。

水神社の下から冷たい水が湧きだしている。他に境内には、多聞天像、毘沙門天像、不動明王像の磨崖仏がある。

不動明王立像は南北朝時代初期の建武5年(1338年)のもので、像高72センチ。直立した単調な姿勢で、右手に降魔の利剣をささげている。

【ご利益】
地域安全、一族・子孫繁栄、家内安全
六所神社 奈良県山辺郡山添村峯寺氏神山
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