そら豆のタブー、現在は本社三殿で早良親王と春日神を祀る
[住所]奈良県奈良市古市町294-1
[電話]0742ー61ー2468 - 奈良県護国神社

御前原石立命神社(みさきはらのいわたちのみことじんじゃ)は、奈良県奈良市古市町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「御前社原石立命神社(大和国・添上郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

御前社石立命神社とも。創祀年代は不詳。主祭神は御前原石立命である。記紀にもなく、不詳の神。

異説として、原石立尊であるとか、三神御前であるとか。後者は宗像三女神のことだという。

境内の灯籠銘に「山神之御前」とあり、社名「石立」から、古くは山の神の磐座が想定され、その磐座を中心として、古市の人々の崇敬を集めてきた、とされる。

「古市ではそら豆は作らない。作っても実らない。それは、古市の神が炒っていたそら豆が裂けて、片目をつぶしたからだ」と伝わる。

現在は、本社は三殿。中央が御前原石立命で、向かって右が崇道天皇(早良親王)を祀る御霊神社、左は天児屋根命を祀る春日神社。

いずれも春日造で、独立した社殿が三つ並んでいる。一段高い石組壇上に建ち、鳥居、石柵で囲まれている。

平安時代末期以降、春日大社との関係が生まれ、当社でも祀られるようになったと考えられている。

同じく式内社の赤穂神社、天乃石吸神社(六所神社立磐神社が論社)、嶋田神社とともに春日山中に勧請され、春日大社境内末社の紀伊神社四柱として祀られた。

すでに紀伊神社に合祀されているので、当社は式内社ではなく、その根拠はない、という説もあるが、御分霊の勧請であれば、元宮として当社が存続していてもおかしくはない。

事実として、この四社の中で、当社を除く三社のどれかが紀伊神社に合祀されて消滅した、という事例もない。

そうではなくて、当社を含むこの四社、論社も含め五社は、いずれも式内社ではなく、紀伊神社こそが式内四社だ、という説なのかもしれないが。

ありえなくはないのだろうけど、この五社は多かれ少なかれ春日大社と接点を持ち、春日神を奉斎しており、互いに互いの御分霊を勧請し合った、と理解した方が良いような気がする。

例祭は10月10日で、氏神例祭と呼ばれるという。

他の境内社に、五社明神社(天忍穂耳命天穂日命天津彦根命活津彦根命熊野久須毘命)、竜王神社(高靇神)、巽神社(辰巳明神)、西之宮神社(大国主神猿田彦命八重事代主命)、三寶荒神社(奥津彦命奥津姫命火産霊命)がある。

境外社に、厳島神社(市杵島姫命)がある。

【ご利益】
家内安全、地域安全、諸願成就
御前原石立命神社 奈良県奈良市古市町
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