春日山中に祀られる紀伊神社四柱の一つ、明治に崇道天皇社を合祀
嶋田神社 奈良県奈良市八島町325
[住所]奈良県奈良市八島町325
[電話]0742ー61ー2468 - 奈良県護国神社

嶋田神社(しまだじんじゃ)は、奈良県奈良市八島町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「島田神社(大和国・添上郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創建年代は不詳。御祭神は神八井耳命

神八井耳命の裔の仲臣子上は第13代成務天皇の時代、尾張国島田の悪神征伐に功があり、島田姓を賜ったとの記録があるため、それにまつわる社名とみられている。

平安時代末期、春日大社との関係が深くなった。

同じく式内社の赤穂神社御前原石立命神社、天乃石吸神社(六所神社立磐神社が論社)とともに春日山中に勧請され、春日大社境内末社の紀伊神社四柱として祀られた。

当初は八島陵西の丘にあった。室町時代には八島陵の北、字クラノカヰトにあったとの記録が残り、現在八島陵北西に字として蔵六垣内が残る。

江戸時代には崇道天皇社(早良親王)とともに八島陵内に鎮座していた。

明治8年(1874年)の春日大社の記録によると、当時の社殿は桁行69.7センチ、梁行45.5センチの小さなものだった。

八島陵の整備に伴い、明治19年(1886年)、崇道天皇社の御神体と社殿を下付され、現在地に二神合祀の形で移築された。

本殿は古式の春日造で、桁行2.53メートル、梁行1.92メートル。剣巴文の金具が用いられ、大きな向拝を前方に持つ。

春日大社の式年造替に従い払い下げられた旧本殿、いわゆる「春日移し」。江戸時代中期の宝永6年(1709年)、春日大社本社本殿第三殿として建立されたもの。

享保12年(1727年)頃に崇道天皇社本殿として現八島陵の位置に移築されていた。現在は市の文化財に指定されている。

境内社に、天照大神社(天照皇大神)、ワノ下大神と呼ばれる春日神社(天児屋根命)、金神を祀る小社がある。

境内には、崇道天皇社と合祀されたことにより、同社より移された「崇道天皇」「崇道天王」「八嶋天王」などと刻まれたものが多く伝わる。

本殿前方の石灯籠は四角円柱形で、「崇道天皇社 奉寄進常夜灯 宝永七年(1710年)十二月吉日」とある。

拝殿前の石灯籠は四角形で、「崇道天王社御宝前 諸願成就 宝暦四甲戌歳(1754年)正月吉日」とある。

他に、総高195センチ、四角形で、「奉寄進八嶋天王御宝前 寛永十七年(1640年)庚辰十一月吉日」とある石灯籠がある。

例祭は10月10日。現在は、奈良県護国神社の兼務神社か。

出屋敷町・神殿町・北永井町に崇道天皇神社があるが、これは八島陵に鎮座していた崇道天皇社をそれぞれ勧請したものとされる。

また、市内西紀寺町には薬師堂町の御霊神社とともに南都二大御霊社とされる崇道天皇社が別にある。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、諸願成就
嶋田神社 奈良県奈良市八島町
【関連記事】
奈良県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、奈良県に鎮座している神社の一覧