祇園神社（ぎおんじんじゃ）は、兵庫県神戸市兵庫区上祇園町にある神社。近代社格では村社。「平野の祇園さん」で親しまれる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

大倉山公園の北に位置する祇園山中腹に鎮座し、境内までは88段の急な石段が続く。

平安時代の貞観11年（869年）、京で鴨川が氾濫し疫病が蔓延した時、行疫神として名高い素戔嗚尊を姫路の広峯神社を北白川瓜生山の東光寺に勧請することになった。

その時、広峯社の神輿が平野の地で一泊した。その地に社殿を建て、御分霊を崇め奉ったのが当社の起源とされている。

広峯社から東光寺に勧請された素戔嗚尊の御分霊は、のちに八坂の地に遷宮され「祇園感神院」となった。現在の八坂神社である。八坂神社はこの説を否定している。

近くには、湊山小学校内に福原京の跡といわれる「雪之御所」の碑があり、平家の屋敷「祇園遺跡」があり、平家ゆかりの地。

遷座の際に神輿を担いだ人々も疲れを癒した、かもしれない、有馬温泉と同じ泉質の「天王温泉」「湊山温泉」がある。

中世以降は、牛頭天王を祀る社として、天王社とも称され、周囲には天王温泉の他、天王川、天王橋、天王谷などの地名が残る。

安土桃山時代の天正年間（1573年-1593年）以来、8軒の家が宮座を組み、2軒ずつが1年ごとに神主役で奉仕してきた。

江戸時代までは「素盞嗚社」あるいは「天王社」と呼ばれ、通称は「祇園さん」。明治になり、この通称を社号とし、現社号に改称した。

御祭神は、素盞嗚尊・櫛稲田姫命。

例祭は6月7日。7月13日から20日まで、8日間に渡って夏祭、祇園まつりが行われ、200軒近くの露店が所狭しと軒を並べ、数万人の参詣客で賑わう。

境内社に、皇大社（天照大神）、春日社（天児屋命）、市杵島姫社（市杵島姫命）、白玉稲荷社、猿田彦社（猿田彦大神）、烏原神社（応神天皇・市杵嶋媛命・天児屋根命・稲荷大神）がある。

他に、「一願石」と呼ばれる霊石が玉垣に囲まれて祀られている。

蘇民将来のこより守り、ちまき守り、木製六角のこけし型守りなど、祇園信仰と関連深い蘇民将来に関する授与品が用意されている。

市内兵庫区五宮町の五宮神社、須磨区車字松ヶ原の車大歳神社などを兼務している。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、水難除け（公式HP）

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