鎌倉期の狛犬と室町期の本殿が重文、10月に特殊神事「千本搗き」
高売布神社 兵庫県三田市酒井120
[住所]兵庫県三田市酒井120
[電話]079-569-0077

高売布神社(たかめふじんじゃ、高賣布神社)は、兵庫県三田市酒井にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 摂津国 河辺郡「高賣布神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

創建は、第33代推古天皇の時代と伝えられている。下照姫命(高比売神)を主祭神とし、天稚比古命を配祀する。

当社と同時期に創建され、御祭神も同じで、やはり河辺郡の式内社である宝塚市の賣布神社の創建と関係があるという説がある。

平安時代になり、この地方に広大な荘園をもった源満仲が、当地の総社にしたと伝えられる。満仲がケヤキ(槻の木)を植えた伝承がある。

鎌倉時代の永仁5年(1297年)の銘がある、カヤの一木造りの木造狛犬が伝わる。

戦国時代の永正10年(1513年)、一間社流造、檜皮葺の本殿が再建された。

これが現本殿である。身舎側面2間・組物連三斗。中備蛙股・庇手挟・妻二重虹梁大瓶束となっていて、各所に彫物を多用し、華麗な建造物。

以上の狛犬と本殿の二点が現在、国の重要文化財に指定されている。

江戸時代になり、その前期の寛永3年(1626年)、麻田藩主青木氏代々の祈願所になった。

いつからか、荷月大明神、槻の宮、斎の宮などと呼ばれ、京都宝鏡寺より寄進された「正一位荷月大明神」の社号額が拝殿に残る。

江戸時代中期の元文元年(1736年)、寺社奉行大岡忠相より地誌編纂を命じられた並河誠所の調査によって、当社が式内社に認定された。

以降は現社号を称するようになった。鳥居横に、誠所の建てた「高賣布社」と刻まれた社号標がある。

明治6年(1873年)、郷社に列し、明治末に酒井・十倉・田中・川原・布木・末吉各村の神社を統合し、合祀して現在に至る。

応神天皇闇山祇神・国玉姫命・菅原道真大年神市杵島姫命を併せて祀る。国玉姫命は不詳だが、主祭神である高比売神の別名か。

例祭は10月9日で秋祭り。それに先立つ10月7日、千本搗き(せんぼんつき)と呼ばれる神事がある。市指定文化財。

この1年間に子供が生まれた「初党」と呼ばれる父親たちが「礎場搗唄」を唄いながら例祭で供える餅「ちぎり御供」を作る。

例祭では、神前に「ちぎり御供」を供え、「初党」が神輿を担ぐ。

境内末社に、戎神社、稲荷神社がある。

【ご利益】
アパレル、地域安全、家内安全、子育て
高売布神社 兵庫県三田市酒井
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