下照姫神が布織りを教示した伝承、推古朝の創建、10月にだんじり祭り
[住所]兵庫県宝塚市売布山手町1-1
[電話]0797-86-4236

賣布神社(めふじんじゃ)は、兵庫県宝塚市売布山手町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 摂津国 河辺郡「売布神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

旧川辺郡米谷村(まいたにむら)の産土神。新字体の売布神社で呼ばれることが多い。

飛鳥時代の第33代推古天皇18年(605年)の創建と伝える。下照姫命(高比売神)を主祭神とし、天稚彦神を配祀する。

下照姫神は当地の里人が飢えと寒さで困窮しているのを憂い、稲を植え、麻を紡ぎ、布を織ることを教え、その後豊かになった里人が下照姫神を祀った。

米谷村の由来もこの伝承にちなみ、米種(まいたね)か売布谷(めふたに)が転訛したといわれている。

また、一帯は物部氏一族の若湯坐連(わかゆえのむらじ)が拠点としていた地で、もともとは若湯坐連の祖である意富売布連、あるいは大咩布命を祀った、とも。

なお、当社と同時期に創建され、御祭神も同じで、やはり河辺郡の式内社である三田市の高売布神社との関連も指摘される。

当社は中世以降、貴布禰神社や貴布禰明神(貴船大明神)と称していた。一般に川の神であり、当社の南方約1.6キロにある武庫川との関連も考えられる。

江戸時代中期の元文元年(1736年)、寺社奉行大岡忠相より地誌編纂を命じられた並河誠所の調査によって当社が式内社に比定され、以降は現社号を称した。

この調査の際に建立された「賣布社」の標石が現存し、拝殿の右前にある。市文化財に指定されている。

本殿は桧皮葺流造で、江戸時代後期の文化13年(1816年)の建立。明治6年(1873年)、郷社に列した。

平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災で被災、本殿などに被害が出たが、その後修復された。

例祭は10月18日・19日で、だんじり祭。宝塚市清荒神の八坂神社と共催で、米谷東(売布、米谷)、米谷西(清荒神)の2基の地車が宮入りする。

境内社に、豊玉神社・稲荷社・市杵島比売命(弁才天)がある。4100平米の社叢も市指定文化財。

なお、式内社としては、出雲国 意宇郡にも賣布神社、但馬国 気多郡にも賣布神社、丹後国 竹野郡にも賣布神社があり、丹後国には熊野郡にも同名神社があって、賣布神社布杜神社が論社。

【ご利益】
産業振興、アパレル、子宝・安産
賣布神社 兵庫県宝塚市売布山手町
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