推古朝の創建、平安京の北方守護神、本殿は賀茂社最古の建築物
[住所]京都府京都市北区西賀茂角社町129
[電話]075-491-6623

大将軍神社(たいしょうぐんじんじゃ)は、京都府京都市北区西賀茂角社町にある神社。近代社格では村社。西賀茂大将軍神社(にしがもたいしょうぐんじんじゃ)とも。参拝すれば、御朱印を頂ける。

賀茂川を挟んで上賀茂神社の対岸にある。大将軍は通常、素盞鳴尊を指すが、本殿に磐長姫命とその家族神4柱(5柱とも)を祀るという。

創建は、第33代推古天皇17年(609年)とされる。桓武天皇の平安京造営に際し、王城鎮護のため、京都の四方に「大将軍神社」を祀り、当社を北方の守護神とした。

創建当初からこの地域には瓦窯が設けられ、平安時代には官衙の瓦を焼いていたとされる。

近くにある神光院が慶円に創建される前には、京都御所に奉納する瓦職人の宿に用いられており、「瓦屋寺」と呼ばれていた。当社はその鎮守の社でもあった。

ただし「瓦屋寺」は江戸時代初めまで当社南側にあった正受寺を指すという説もある。正受寺は正伝寺と密接な関係を持つ。

正伝寺の古文書によれば、江戸時代には正受寺というよりも正伝寺が当社と関わりを持っていた。同時に、上賀茂神社とも関係があった。

古くは「須美社」「角社」とも呼ばれ、方違え(かたたがえ、かたちがえ)、疫除けの神として信仰を集めている。

なお、「角社」は当社とは別の神社であったという説や伝承もある。

本殿は、安土桃山時代の天正19年(1591年)に造営された上賀茂神社の摂社片岡社の旧本殿を、江戸時代初期の寛永13年(1636年)までに移築したもの。

一間社流造で、賀茂社最古の建物。同じく片岡神社の刻銘のある鉄燈籠とともに、現在は市指定有形文化財に登録されている。

また、境内に鎮座する建築物と、それを取り囲む樹木とが一体となって、鎮守の森としての境内景観を留めており、市によって当社境内全域も文化財環境保全地区に指定されている。

例祭は10がつ。現在は23日より前の日曜日に行われる。前夜に宵祭の神事として餅搗(もちつき)を行う。

当日の行列の主役とされるのが「乙女」で、主に小学校高学年の女子7名が務める。他に、「総代」「宮詣」「稚児」「神輿若中」などの行列が、古式ゆかしく町内を練り歩く。

4月29日には春祭が、土用の丑の日には虫送りが、11月23日にはお火焚がある。

境内社に、東側末社群として、片岡神社(事代主神)・貴船神社(高龗神)・稲荷神社(宇気母智神)・角社(素戔嗚尊)がある。

西側末社群として、愛宕神社(火之迦具土神)・松尾神社(大山咋神)・八幡神社(応神天皇)・春日神社(天児屋根命)・山王神社(大山咋命)がある。

この中の角社の御祭神が素戔嗚尊で、当社の古態を伝えるもの、なのかもしれない。

【ご利益】
厄災除け、方除け、家内安全、地域安全など
大将軍神社 京都府京都市北区西賀茂角社町
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