江戸期旅人の目印「ゆるぎの松」の「五社明神」、8月に神輿渡御
[住所]東京都品川区大崎3-8-20
[電話]03-3491-7490

居木神社(いるぎじんしゃ)は、東京都品川区大崎にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創建年代は不詳。以前は、武蔵国荏原郡居木橋村、現在の山手通り居木橋付近に鎮座していたという。主祭神は日本武尊

もとは「雉子ノ宮」と称され、境内には「ゆるぎの松」と呼ばれた大木があったと伝えられている。多摩から品川を目指す旅人の目印となった。

この「ゆるぎの松」が「いるぎ」に転化して、地名や当社名になったとも考えられている。

江戸時代初期、目黒川の氾濫の難を避けるために現在地に遷座した。この時、村内の貴船明神・春日明神・子権現・稲荷明神の4社を併せ、「五社明神」と称した。

江戸時代を通して深く崇敬され、祭事も多く、特に里神楽が催され、秋の大祭には他村よりの参詣も多く、社頭は賑わったという。

境内には江戸時代の石像物がいくつか残っており、北側参道の鳥居と末社御手洗の鉢は、いずれも寛政4年(1792年)に、石灯籠は弘化2年(1845年)に奉納されたもの。

明治5年(1872年)、現社号に改称し、翌年には村社に列した。明治29年(1896年)と明治42年(1909年)に稲荷神社・川上神社・本邨神社の三社六座を合祀した。

現在、高龗神大國主命倉稲魂命天兒家根命・菅丞相(菅原道真)を配祀し、手力雄命・淀姫命・大山咋命を合祀する。

淀姫命は不詳だが、肥前国の與止日女神社を指す場合が多く、当社が合祀した神社のいずれかで、與止日女神社かその御祭神をいずれのかの時期に勧請したものか。

昭和5年(1930年)、社殿改築が進められ、昭和8年(1933年)9月に竣工したが、そのこの社殿も昭和20年(1945年)の戦火で炎上した。

昭和52年(1977年)5月5日に再建工事が着工され、昭和53年(1978年)3月3日に上棟、同年6月10日に正遷座祭が執行された。

現在地はJR大崎駅からすぐの所。拝殿前の石段の横手には溶岩積による富士塚があり、しながわ百景に選定されている。

境内末社に厳島神社がある。旧居木橋村の名主松原家に屋敷神として祀られていたもの。小型の建築だが、江戸時代後期の特徴を兼ね備え、現在は区指定有形文化財。

御神宝として、一刀彫神輿がある。もとの「い若会」、現在の居木橋町会が戦前に発注したもの。皇室の慶事などに担がれてきた。

例祭は8月25日前後の金・土・日曜日。日曜日に神幸祭があり、宮神輿の渡御が執り行われる。現在の宮神輿は昭和59年(1984年)作、重さ1トン、台輪寸法2尺7寸の白木神輿。

「品川拍子」という拍子を叩きながら担ぐ。「チョイナ、チョイナ、オイサ、オイサ」の掛け声とともに神輿を揺すりながら担ぐのが特徴。

2月3日が節分祭(追儺行事)で、豆まきが行われる。

【ご利益】
武運長久・勝運、商売繁盛、学業・受験合格など(公式HP
居木神社 東京都品川区大崎
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