鎌倉末期創建の蛇窪大明神、白蛇を祀る荏原七福神の弁財天
[住所]東京都品川区二葉4-4-12
[電話]03-3782-1711

上神明天祖神社(かみしんめいてんそじんじゃ)は、東京都品川区二葉にある神社。近代社格では村社。もとは神明社、現在の正式名称は天祖神社。

参拝すれば、天祖神社、蛇窪大明神、弁財天の三種類、時期によって色の違うタイプの御朱印を頂ける。また、オリジナルの御朱印帳がある。

社伝によれば、鎌倉時代末期の元享2年(1322年)、武蔵国一帯が大旱魃に襲われた。

大森厳正寺の当主である第二世法密上人が、寺の戌亥(北西)、森林内にあった古池のほとりに祀られていた龍神社に雨乞いの断食祈願を行った。

これが成就して大雨が降り注ぎ、危機を免れた。これに感激した蛇窪村の住人達が神恩に感謝して奉斎したのが、当社の起源。

なお、鎌倉時代、当地の豪農である森屋氏が創建したという説もある。

主祭神は天照大御神天児屋根命応神天皇を配祀する。

戦国時代の永禄元年(1558年)4月、5代古河公方足利義氏が下総への進軍中、社祠として祀り、戦勝を祈願したとの伝承もある。

江戸時代前期の正保年間(1644年-1647年)、蛇窪村が立会川の上流地域と下流地域に分離するのに伴い、当社から現在の下神明天祖神社が分離された。

大正時代初期、土地の有志が発起人となり、現在の大鳥居が建立された。第二次大戦の空襲で、本殿や境内建造物、樹木などはすべて焼失したが、この大鳥居のみが戦禍を免れた。

社殿は昭和36年(1961年)に再建され、大鳥居も昭和49年(1974年)、銅により修復された。

現在の本殿と手水舎は平成10年(1998年)に、社務所は平成15年(2003年)に、神輿庫は平成16年(2004年)にそれぞれ建て替えられ、平成23年(2011年)には拝殿屋根が改修された。

境内末社に、厳島弁天社(市杵島姫神田心姫神湍津姫神・蛇窪龍神・白蛇大神)、伏見稲荷社(稲荷大神)がある。

この弁天社は荏原七福神の弁財天。もともとは社殿の左横、現在の消防団詰所付近に清水が湧き出る洗い場があり、そこに白蛇が住んでいた。

その洗い場もいつしかなくなった時、土地の旧家森谷友吉の夢枕に白蛇が現れ「一日も早くもとの住みかに帰してほしい」と懇願した。

この話を宮司に伝えたところ、この弁天社が創建されたという。白蛇を迎える日の夜、それまでの輝くばかりの星空がにわかにかき曇り、雷鳴とともに大風が立ったという。

そもそもの縁起である龍神社、蛇窪という地名などから勘案して、この白蛇こそが地主神であり、当社の根幹だとも考えられる。

当社では、境内社を含む、以上のすべての神々の総称として、蛇窪大明神としている。心願成就の白蛇さま、蛇窪の白蛇大神とも。

厳島弁天社の例祭は4月10日、1月12日には初巳祭が、7月7日には蛇窪龍神祭(七夕祭)がある。七夕期間中の夜間、蛇窪の水まつり短冊がライトアップされる。

【ご利益】
巳が辰(身が立つ)の立身出世、諸願成就(公式HP
上神明天祖神社 東京都品川区二葉
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