大山廃寺跡に鎮座、焼き討ちで亡くなった稚児を祀る、式内論社とも
兒社 愛知県小牧市大字大山字郷島412
[住所]愛知県小牧市大字大山字郷島412
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兒社(ちごのやしろ、児社)は、愛知県小牧市大山郷島にある神社。児神社(ちごじんじゃ)、稚児神社とも。御朱印の有無は不明。

飛鳥時代の7世紀後半に創建され、一時は「西の比叡山延暦寺、東の大山寺」といわれるほど隆盛を極めた大山峰正福寺の跡、大山廃寺跡に鎮座している。

正福寺は仁平2年(1151年)に三井寺の僧徒の焼き討ちに合い、その後再建されたが、室町時代以降、途絶えたといわれている。

仁平2年の焼き討ち直後、時の後近衛天皇が奇病にかかり、夜になると内裏に化け物が出るようになった。

そのため原因を陰陽師の安部清業が占ったところ、「稚児の霊を慰めると良い」と出たという。

そこで彼らの霊をまつる目的で、鷹司友行朝臣が久寿2年(1155年)、当社を創建した。

御祭神は、多聞童子(たもんどうじ)、善玉童子(ぜんだまどうじ)、祢宜。前二柱が正福寺の焼き討ちで亡くなった稚児で、創祀の際、命名された。

なお、一部には高倉天皇(在位:1168年-1180年)の勅命によって創建されたともいう。

『延喜式神名帳』にある「宅美神社(尾張国・丹羽郡)」に比定される式内社(小社)の論社とされる場合がある。

ただし、当社の創建は『延喜式』のはるか後のことであり、式内社には当てはまらない。式内比定の根拠は不明。

式内社「宅美神社」の論社は他に、一宮市西大海道の宅美神社、犬山市今井の石作神社がある。丹羽郡には他に、「託美神社」という式内社もある。丹羽郡扶桑町の式内同名神社に比定されている。

昭和42年(1967年)、「小牧さくらの会」によって、参道に桜が植樹された。今もシーズンには100本の桜が開花し、桜の名所となっている。

御祭神が子供であることから、「子宝に恵まれる」「妊婦が安全に過ごせる」などの御利益があるとされている。

【ご利益】
子宝・安産、子育て、諸願成就
兒社 愛知県小牧市大山郷島
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