稲木別が祖神を奉斎、尾張藩の崇敬、江戸期からの「お天道さん」
稲木神社 愛知県江南市大字寄木字東郷中511
[住所]愛知県江南市大字寄木字東郷中511
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稲木神社(いなぎじんじゃ)は、愛知県江南市寄木東郷中にある神社。『延喜式神名帳』にある「稲木神社(尾張国・丹羽郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。御朱印の有無は不明。

創建時期は不詳。一説によると、古代の氏族の稲木別が、祖先の大中津日子命を祀り、創建したという。

大中津日子命は、第11代垂仁天皇と、その皇后である比婆須比売命の子。兄に、第12代景行天皇などがいる。『古事記』では皇子だが、『日本書紀』では「大中姫命」と表記され、皇女。

『古事記』に、「山辺の別、三枝の別、稲木の別、阿太の別、尾張国の三野の別、吉備国の石无の別、許呂母の別、高巣鹿の別、飛鳥の君、牟礼の別らの祖」とある。

「稲木の別」はそのまま式内社「稲木神社」を連想させる。

『尾張国内神名帳』には「稲木天神」とある。丹羽郡稲木の庄53ヶ村の総社だったという。

戦国時代の頃から所在不明になった。江戸時代、尾張藩国学者天野信景の調査で、当時は天道宮と呼ばれていた当社が式内社に比定された。

尾張藩の信仰が厚く、江戸時代中期の享保9年(1724年)、神仏習合により天道山高照寺として臨済宗の寺院となった。

寛保元年(1741年)、尾張藩の命により、愛知郡八事村野分新田(現 名古屋市昭和区)に移転。

明治元年(1868年)、神仏分離により天道山高照寺から分離独立、もとの地に移転した。

明治5年(1872年)、村社に列し、明治44年(1911年)12月、幣帛供進社の指定を受け、大正12年(1923年)に郷社に昇格した。

現在までに御祭神は、天照大御神・大中津日子命・月夜見命五百筒磐村命須佐之男命白山比咩命火産霊神・祓戸四柱大神。

現在も、江戸時代の旧称にちなむ、「お天道さん」の名で親しまれている。例祭は10月第3日曜日。

樹高13メートル 目通り2.05メートル、枝張りが東西10メートル・南北15.5メートルのむくろじがある。市の天然記念物に指定されている。

境内社に、稲荷大明神・秋葉社・星宮・日宮・月宮・八坂権現・神明・白山権現・祓戸社の各社がある。

なお、式内社「稲木神社」の論社は他に、犬山市犬山東古券の天神社と、その旧社地とされる田中天神社がある。

【ご利益】
開運招福、地域安全、厄災除け
稲木神社 愛知県江南市寄木東郷中
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